COLUMNコラム
- 2022.08.08
- ローン
中古住宅をリフォームするならどのローンがお得?補助金や減税制度も紹介
「中古住宅をリフォームする際、ローンは組めるのだろうか?」
「中古住宅を購入してリフォームする際に、一番お得なローンを知りたい」
このようにお考えではないでしょうか?実は、中古住宅をリフォームする際には、ローンを組むことができます。中古住宅を購入してリフォームする際には、リフォーム一体型ローンが一番おすすめです。この記事では、中古住宅をリフォームする際に組める3つのローンについて紹介します。補助金や減税制度も合わせて解説。
この記事を読めば中古住宅のリフォームローンについて詳しく知ることができます。
目次
1.中古住宅を購入してリフォームする際のローンの種類
中古住宅をリフォームする際のローンは下記の3種類あります。
●住宅ローン
●リフォームローン
●リフォーム一体型ローン
3つのローンについて、内容やメリット・デメリットを詳しく解説します。
リフォームしてローンを組みたい人は参考にしてみてください。
(1)住宅ローン
住宅ローンは文字通り、住宅を購入するときに組むローンのことです。持ち家のローンが残っている状態で、リフォームを検討している場合にも利用できるローンです。住宅ローンには下記のようなメリットがあります。
●銀行の場合は借入額上限が1億円と大きい ●返済期間が最長35年と長い ●金利が1%前後と低い |
住宅ローンの借入額の上限は銀行によって異なりますが、1億円以上といった高めの金額が設定されていることが多いです。また返済期間が最長35年と長いので、月々の負担を減らしてゆっくりと返済できます。一方で、以下のデメリットがあります。
●銀行によっては年収300〜400万以上の条件があるなど審査が厳しい |
住宅ローンには審査があり、返済能力を判断した上で借入額が決まるので、ローンが通らない場合や希望する借入額に届かない可能性もあるのです。
(2)リフォームローン
リフォームローンは住宅をリフォームする際に組むローンのことです。
リフォームローンには下記のようなメリットがあります。
●審査に通りやすく、比較的短期間で借入できる借入額によっては無担保でローンが組める ●借入額によっては無担保でローンが組める |
リフォームローンは住宅ローンよりも審査に通りやすいメリットがあり、借り入れる金額によっては無担保で借入できます。一方で下記のようなデメリットもあります。
●金利が約2〜5%と高い ●返済期間が1〜15年と短い ●借入限度額が1000万円程度と少ない |
住宅ローンに比べて金利が高く返済期間が短いので、月々の負担が大きくなってしまいます。
(3)リフォーム一体型ローン
中古住宅購入時と同時にリフォームする際に利用できるのが、リフォーム一体型ローンです。
リフォーム一体型ローンには下記のようなメリットがあります。
●住宅ローンとリフォームローンをまとめて一本化できる ●住宅ローンの金利で借入できるので月々の支払いが抑えられる ●諸経費が安くなる |
住宅ローンとリフォームローンを別々で組むと、返済日や返済終了日が異なるので管理が大変です。リフォーム一体型ローンであれば、2つのローンをまとめて1つにできるので返済日などの管理が楽になります。また、住宅ローンとリフォームローンを両方契約した場合、それぞれのローンに対してい諸経費がかかります。リフォーム一体型ローンにすることで、諸経費や手続きの手間が抑えられるのもメリットです。一方で下記のようなデメリットもあります。
●取り扱っていない銀行が多い ●短い期間で業者選び・リフォーム内容を決めないといけない |
リフォーム一体型ローンを組む際には、事前審査の前にリフォーム見積もりが必要なので、業者選び・リフォーム内容決定までにあまり時間をかけられないのがデメリットです。中古住宅購入と同時にリフォームを検討しているのであれば、リフォーム一体型ローンがおすすめです。
2.中古住宅を購入しリフォームする流れ
中古住宅を購入してリフォームする際の具体的な流れを解説します。
(1)中古住宅購入の流れ
まずは中古住宅・中古マンションを購入する際の流れを紹介します。中古住宅購入の流れとリフォームの流れを解説するので参考にしてみてください。
1.購入する物件を決めて申し込む 2.住宅ローンの事前審査を行う 3.売買契約を締結する 4.住宅ローンの本審査を行う 5.住宅ローンが通れば引き渡し |
中古マンションの物件を選ぶ際には、部屋だけではなく共有スペースや管理規約・修繕計画なども確認しておきましょう。売買契約を締結した後に契約解除すると数百万円の手付金が戻ってこなくなるので、慎重に物件を決めることをおすすめします。また、住宅ローンの事前審査に通っても、本審査に通らないこともあるので注意が必要です。
(2)リフォームの流れ
次に中古住宅・中古マンションをリフォームする際の流れを紹介します。
1.リフォーム会社を選ぶ 2.リフォーム内容の相談する 3.概算の見積もりを出してもらう 4.契約して工事が始まる 5.工事が完了すれば引き渡し |
中古住宅購入と同時にリフォームをしたいのであれば、リフォームに関する相談もできる仲介業者を選ぶと良いでしょう。リフォーム一体型ローンを組む場合は、リフォーム費用も含めた金額で審査を行います。購入する物件が決まれば、同時進行でリフォームのプランも決めなくてはいけません。リフォームの相談もできる仲介業者であれば、リフォーム業者の紹介などもありスムーズに進めることができます。
3.持ち家をリフォームする場合のローンについて
すでに購入して持っている住宅を、リフォームする際のローンについて解説します。持ち家をリフォームする場合は、持ち家のローンが残っているのか・完済しているのかで対応が変わります。それぞれのパターンについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
(1)持ち家のローンが残っている場合
持ち家の住宅ローンがまだ残っている状態でリフォームする場合の、ローンについて解説します。持ち家のローンが残っている場合は、2つの方法があります。
●新しくリフォームローンを組む ●住宅ローンの残債にリフォーム費用を加算し借り換えを行う |
リフォームローンは金利が高く返済期間が短いというデメリットがあるので、借り換えを行う方法のほうがおすすめです。しかし、借り換えの場合は別途諸経費がかかるので、トータル金額を比較した上で判断しましょう。
(2)持ち家のローンを完済している場合
持ち家のローンをすでに完済している場合は、リフォームローンのみ利用できます。住宅の購入や元になる住宅ローンがないので、借り換えを利用して住宅ローンを利用することができません。
4.中古住宅のリフォームは減税や補助金が受けられるかも
中古住宅をリフォームする際には、リフォーム減税やこども未来住宅支援などの補助金が受けられる可能性があります。参考にして少しでもお得に中古住宅のリフォームを行いましょう。
(1)リフォーム減税
リフォーム減税とは、住宅をリフォームした際に受けられる減税などの優遇制度のことです。対象になる税金は「所得税」と「固定資産税」の2つです。それぞれについて詳しく解説します。
所得税
所得税の控除には、下記の3つの減税措置があります。
投資型減税 ローン型減税 住宅ローン減税 |
投資型減税は、住宅ローンを利用していなくても一定の要件をクリアすれば、所得税減税措置が受けられます。国土交通省が決めている標準的工事費用の約10%が、1年減税されます。実際にかかった工事費用の約10%が控除されるわけではないので注意しましょう。減税の対象となる工事は、耐震リフォーム・バリアフリーリフォーム・省エネリフォームなどです。
ローン型減税は、返済期間5年以上のリフォームローンを組んでいる場合に対象になります。指定の工事費用の2%+年末のローン残高の1%が控除対象で、5年間控除されます。バリアフリーリフォーム・同居対応リフォーム・長期優良住宅化リフォームなどが、減税の対象です。住宅ローン減税は、返済期間10年以上の住宅ローンを組んだ場合に適用される減税措置です。年末のローン残高の1%が控除対象となり、10年間控除されます。
固定資産税
固定資産税の減税は、耐震リフォーム・バリアフリーリフォーム・省エネリフォーム・長期優良住宅化リフォームのいずれかを行った場合に適用されます。工事完了後3ヶ月以内に市町村に申請する必要があるので注意しましょう。控除される期間は1年です。所得税と固定資産税の減税措置は内容によって、併用できる場合とできない場合があるので、事前に確認しておきましょう。
(2)こどもみらい住宅支援
こどもみらい住宅支援とは、住宅に対象のリフォームを行うと最大60万円の補助金が受けられる制度のことです。
開口部の断熱改修・外壁や屋根・天井または床の断熱改修・エコ住宅設備の設置のうち、いずれかの工事を行っていることが条件になります。新築住宅の場合は子育て世帯もしくは若年夫婦世帯が対象ですが、リフォームの場合は全ての世帯が対象です。令和4年10月31日までに工事完了する物が対象になるので、工事スケジュールをしっかりと確認して進めていきましょう。
(3)住宅購入の際に使える優遇措置
住宅購入の際に使える優遇措置を3つ紹介します。
1.すまい給付金 2.不動産取得税の減税 3.登録免許税の特例措置 |
それぞれどのような優遇措置なのか詳しく解説します。
すまい給付金
すまい給付金は消費税が増額したことによって、住宅購入時にかかる負担を緩和するための優遇措置です。収入額が775万円以下の人を対象に、最大50万円の給付金が受け取れます。新築住宅・中古住宅ともに対象ですが、建物の質が良いことも条件になるので一定の要件をクリアする必要があります。中古住宅の場合は耐震性や第三者の検査で一定の品質が得られた建物が対象です。住宅を所有した人が自分で申請する必要があり、申請書類をすまい給付金窓口に持ち込むか、すまい給付金事務局に郵送して申請します。
すまい給付金に関する詳しい条件等はすまい給付金公式ページを参照してください。
不動産取得税の減税
不動産取得税の減税措置は、不動産を購入した際に3%の軽減税率が適用されます。耐震基準適合既存住宅であることが条件で、中古住宅購入後6ヶ月以内に耐震改修を行った場合も対象です。控除額は住宅の新築日によって異なり、築年数が浅いほど控除額が高くなります。例えば昭和57年1月1日から昭和60年6月30日に建てられた住宅の控除額は420万円、平成9年4月1日以降に建てられた物件は1,200万円の控除が受けられます。
不動産取得税の減税については、東京都主税局の公式ページを参照してください。
登録免許税の特例措置
登録免許税の特例措置とは、リフォームを対象とした特例措置です。一定のリフォームが行われた中古住宅を購入した際に対して、登録免許税の税率が0.1%軽減されます。登録免許税の特例措置を受けるためには、指定の申請書を市町村に提出したあと1年以内に登記する必要があります。登記後に申請しても特例措置は受けられません。
登録免許税の特例措置については、国土交通省の公式ページを参照してください。
5.中古住宅購入と同時に住宅ローンを組む際の注意点
中古住宅を購入時に住宅ローンを組む際の注意点を2つ紹介します。
これから住宅ローンを組もうと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
(1)築年数によって借入金額が制限される場合がある
中古住宅を購入して住宅ローンを組む場合は、新築住宅購入時に比べて借入金額や返済期間が制限される可能性があります。万が一支払いができなくなった時のために、住宅ローンを組む際には、購入した住宅・土地が担保になります。住宅は築年数が経つほど価値が下がるため、担保を元に計算する借入額が少なくなってしまうのです。また、築年数が古すぎると住宅ローンが組めない金融機関もあります。中古住宅を購入する際には住宅ローンのことも合わせて考えながら検討しましょう。
(2)住宅ローン控除(減税)が受けられない可能性がある
住宅ローン控除を受けるためには、築年数の要件をクリアしている必要があり、古い物件だと控除の対象外になることがあります。例えば鉄筋コンクリートを使用した耐火建築物の場合は築年数25年以内・木造住宅などは築年数20年以内でないと、住宅ローン控除が受けられません。住宅ローン控除を受けたい人は、築年数も考えながら物件を選びましょう。
6.中古住宅購入・リフォームに関してよくある質問
中古住宅の購入・リフォームに関してよくある質問にお答えします。
(1)中古住宅購入した際の住宅ローン控除の確定申告はいつ行う?
中古住宅を購入してリフォームした場合、住宅ローンの控除が受けられますが、初年度のみ確定申告を行わなければいけません。確定申告は中古住宅を購入して住み始めた年の翌年、2月16日〜3月15日までに行うのが基本の流れです。2年目以降は会社員であれば年末調整に追加書類を添付するだけで大丈夫です。必要な追加書類を下記にまとめました。
●住宅借入金等特別控除証明書 ●住宅ローンの年末残高等証明書 |
それぞれ税務署・銀行から送付されてくる書類なので、年末調整時まで無くなさないように保管しておきましょう。
(2)リフォームローンも控除が受けられる?
リフォームローンでも住宅ローン控除が受けられます。しかしさまざまな要件があり、その一つがリフォーム工事費用が100万円以上である必要があります。補助金を利用してリフォームする場合は、補助金分は引いた状態で100万円以上かかっていないと、控除が受けられません。どんなリフォーム工事でも適用されるわけではなく、バリアフリー改修工事・省エネ改修工事・耐震改修工事などが対象になります。リフォームをして住宅ローン控除を受けたい場合は、どのような工事が対象になるのか詳しく確認しておきましょう。
まとめ:中古住宅購入と同時にリフォームするならリフォーム一体型ローンがおすすめ
中古住宅をリフォームする際に利用できるローンは2種類あります。中古住宅購入と同時にリフォームを検討しているのであれば、リフォーム一体型ローンがおすすめです。リフォーム一体型ローンであれば、中古住宅購入とリフォームのローンを別々に組む諸費用や手間が省けるからです。中古住宅をリフォームする場合は、リフォーム減税やすまい給付金などさまざまな税金優遇措置や補助金が受けられます。税金優遇措置や補助金によって細かい条件があるので、これから中古住宅をリフォームする人はしっかりと確認して、少しでもお得にリフォームしましょう。
ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト