COLUMNコラム
- 2022.11.09
- リノベーションの知恵
リフォームと建て替えそれぞれのメリット・デメリットとは?
「自宅をリフォームするか建て替えるか悩んでいる」
「そもそも、リフォームと建て替えの違いが分からない」
このような疑問をお持ちではありませんか?
本記事ではリフォームと建て替えの違いからそれぞれのメリット・デメリットまで詳しく解説していきます。
またリフォームと建て替え、それぞれがおすすめのケースもご紹介!
ご自宅やこれから住む住宅の、リフォームか建て替えで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
1.リフォームと建て替えの違いを比較
リフォームと建て替えには工事内容から金額、間取りの制約等に違いがあります。
それぞれの違いは以下のようになっています。
リフォーム | 建て替え | |
工事内容の違い | 住宅の既存部分で、使用できるものを活かしながらより住みやすい住宅へ修理・工事を行う | 既存の住宅を取り壊し、新たに骨組みから建築していく |
費用 | 約800万円〜1600万円 | 約1800〜4500万円 |
改修費用以外にかかる費用 | 基本的に無し | ・住宅の解体費 ・木材の破棄費 ・仮住まいが必要な場合は2回分の引っ越し費用がかかる場合もある |
間取りの制約 | 柱や基礎の状態によって間取りに制限がある場合も | 基本的に無し |
メリット | ・建て替えより費用を抑えられることが多い ・必要な箇所のみ工事ができるので予算内に収まりやすい ・法律による制限を受けない ・工事中でも住める場合がある ・既存部分を生かしたリフォームも可能 | ・築年数がリセットされる ・リフォームに比べ自由度が高い設計が可能 ・耐震や断熱工事が可能 ・地盤を補強、改良し地震対策が可能 ・リフォームより比較的簡単に、金利の低い住宅ローンを組める ・水回り設備等を最新のもので一新できる |
デメリット | ・思い通りの間取り変更にならない場合がある ・大掛かりな修繕工事等で建て替えより高くなることも | ・リフォームに比べ費用が高額になりやすい ・印紙税、登録免許税、不動産取得税の税金がかかる ・建て替えができない住宅もある ・仮住まいが必要になる |
各住宅の状態によって、どちらがいいのかは異なりますので、下記で詳しくリフォームと建て替えについてを紹介していきます。
2.リフォーム・建て替えの費用相場
リフォームと建て替えの費用は、住宅の大きさや劣化状態によっても様々ですが、平均相場は以下のようになっています。
・リフォーム:800万円〜1600万円 ・建て替え:1800〜4500万円 |
リフォームの内容によっても金額は様々ですが、平均的にみても建て替えの方が費用は高額になっています。
また、建て替えの場合はまず既存の住宅の取り壊しから始めますので期間が長くなる場合も。
住宅の状態や将来のライフプラン、やりたい間取りなどを考えながら、建て替えかリフォームにするかを選ぶことが大切です。
3.リフォームのメリット・デメリット
リフォームか建て替えでお悩みの方は住宅の状況とそれぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
それぞれのメリット・デメリットを予め知っておくことで、将来のライフプランや返済計画をたてやすくなります。
(1)リフォームのメリット
基本的に、まるごと設備等を交換する建て替えに比べ、リフォームの方が費用は安く抑えられるケースが多く、必要部分だけの工事が可能なことから予算内で収まりやすい傾向にあります。
また、実家等の思い出として残しておきたい部分をそのままにしながら、劣化した部分のみの工事も可能。
一部分だけのリフォームであれば、工事中も仮住まいを探す必要なく生活できるのもメリットの1つです。
建て替えの場合は、建築基準法によって『幅員4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ、原則として建て替えができない』と決まっています。
リフォームの場合、建て替えのような法律による制限はありませんので、自由に室内を理想の住まいに近づけることができます。
(2)リフォームのデメリット
リフォームで間取り変更をお考えの場合は、不要な柱などが取り除けるものなのか事前にリノベーション会社に確認しておく必要があります。
実際に「間取り変更を希望していたけど、住宅の構造上壁を撤去できなくて理想の間取りにならなかった」というケースも。
また、修繕が必要な箇所や基礎部分の劣化が激しいと費用も高額になることがあり、住宅の状態によっては建て替えの方が安く済む場合もあります。
4.リフォームがおすすめのケース
建て替えかリフォームで悩んでしまった場合は、以下のケースに当てはまっていないか確認してみるのもおすすめです。
建て替えよりリフォームがおすすめなケースは以下の3つ。
・低予算で工事を考えているケース ・住宅を子供や孫に譲る必要がないケース ・築年数が25年以下で部分的工事をお考えのケース |
順に説明していきます。
(1)低予算で工事を考えているケース
少ない予算で家の工事をお考えの方は建て替えよりリフォームがおすすめ。
リフォームなら回数を分けて低価格で少しずつリフォームをしたり、必要最低限の箇所だけを絞って費用を抑えることもできます。
その場合、なるべく低価格でリフォームしたい旨を、事前にリノベーション会社と相談してみましょう。
また、リフォーム前に工事したい箇所をピックアップしてから、それぞれ優先順位をつけておくことで価格を抑えながらメリハリのついたリフォームを行うことが可能に。
FINDでは、住宅の現状を実際に確認しながら、予算内で最適なプランの提案を行っています。
予算があまりなくて不安な方も、ぜひ1度FINDにご相談ください。
(2)住宅を子供や孫に譲る必要がないケース
住宅を子供や孫、次の世代に譲ることを考えていない方はリフォームの方がおすすめです。
相続をしない場合は、取り壊してしまったり売却することが考えられますので、リフォームの方が必要な部分だけで済ませられ費用も少なく経済的。
将来的に大きな修繕が必要になる場合は建て替えの方がおすすめですが、今の住宅を住み継ぐ可能性が少ない場合は既存のものを生かした最小限のリフォームで充分です。
建て替えかリフォームで悩んでしまった場合には、これからその住宅で暮らしていく期間とコストパフォーマンスを相対的に考えてみるのもおすすめです。
(3)築年数が25年以下で部分的工事をお考えのケース
築年数が25年以下で、設備等の入れ替えや内装のフルリフォーム、増築等で済むケースはリフォームの方がおすすめです。
築25年以下の住宅なら、大体の場合基礎部分に問題は少なくリフォームだけで充分。
また、築25年を超えていても耐震・耐熱工事がされていてある程度状態のいい住宅なら、リフォームで済むケースが多いです。
基礎部分については、ホームインスペクション等を利用して、リノベーション会社のプロに見てもらうのが安心です。
ホームインスペクションとは、家の状態をプロが診断してくれるもので2018年4月には、宅建業法の改正によって、中古住宅の仲介時に説明義務も追加されているサービスです。
FINDではホームインスペクションについても詳しく紹介していますので、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
5.建て替えのメリット・デメリット
リフォームをお考えの方も、建て替えのメリット・デメリットも知っておくとどちらがより自分に合った選択なのかを判断する材料になります。
「リフォームをしようと考えていたが、建て替えのほうが自分の家には合っていた」というケースもあるので、事前にリフォームと建て替え、両方のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
(1)建て替えのメリット
リフォームと比較して、建て替えを選択するとによって柱や外壁から新しくすることができますので、家自体の寿命を延ばすメリットがあります。
間取りの制限もなく、新たに住宅を一新できるので「庭をつくりたい」「部屋数を増やしたい」などの理想も叶えやすくなります。
また、リフォームよりも比較的金利の低い住宅ローンが組みやすく、資金確保もしやすいこともメリットのひとつ。
相続をする場合の観点からみても、家の状態が良好なまま住み継ぐことができるので、残された家族の負担も少なくすみます。
さらに、耐震や断熱工事、地盤の補強や改良を行うことで長く安心して暮らせる住まいにできますよ。
(2)建て替えのデメリット
建て替えはリフォームに比べて『印紙税、登録免許税、不動産取得税』などの税金がかかり、総額費用も高くなってしまうデメリットがあります。
住宅の取り壊しから仮住まいの確保などの様々な費用負担も発生することから、金銭面での負担が大きいです。
また、住宅の中には『再建築不可物件』というものもあり、解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地が存在します。
建築基準法ができた1950年以前に建てられた住宅などでは、上記の再建築不可物件に当たる場合も多くありますので建て替えをしたい時には事前に確認しておきましょう。
6.建て替えがおすすめのケース
建て替えをお考えの方、リフォームか建て替えで悩んでいる方はどのようなメリットを感じてどちらを選択するのかを明確にしておきましょう。
これまでのメリット・デメリットを見比べた上で次のようなケースに当てはまっていないかも一緒に確認しておくと安心です。
リフォームより建て替えがおすすめなケースは以下のものがあります。
・工事内容の費用がリフォームと建て替えで変わらない場合 ・住宅を済み継ぐ人がいるケース ・地盤や耐震に不安があるケース |
順に説明していきます。
(1)工事内容の費用がリフォームと建て替えで変わらない場合
リフォームの工事内容が大掛かりになり、さらに費用も高額になってしまい、結果的に金額の差があまり無い場合は建て替えの方がおすすめです。
建て替えを選択した場合は、金利の低い住宅ローンを利用することができ節税制度も使用できますので結果的にお得になるケースも少なくありません。
フルリノベーションやスケルトンリノベーションは高額になることが多いので、最初に建て替えとリフォーム、それぞれの見積もりをとって見比べてみるのもおすすめです。
(2)住宅を済み継ぐ人がいるケース
相続をしてこれから済み継ぐ人がいる場合は、建て替えをすることで家自体の寿命を伸ばし長く暮らせる住まいを目指すのがおすすめです。
住宅の建て替えは大きな費用が必要になることから『相続資産を減らして相続税を抑える』ことにも繋がります。
相続税対策になる理由は、預金などの現金は100%資産として課税対象になるのに対し、不動産は建築費用の50%~70%程度が課税対象となるためです。
簡単に言ってしまうと『現金で相続するより、不動産にして相続してもらうことで相続税を抑える』ということです。
結果的に、建て替えにかかった費用の30%~50%は課税対象外になりますので相続税としてメリットがあり、さらに住み継ぐ家族は家の維持費用が少なくすみます。
住宅をより良い状態で残すことで、家族の負担も減り長く安心して暮らす住まいになりますので「住宅を一新したいけど、相続時のことも気になる」という方は建て替えの方がおすすめだといえます。
(3)地盤や耐震に不安があるケース
建て替えをするということは、当たり前ですが家を1度取り壊すので地盤調査で耐震に優れた住宅を建築することが可能になります。
古い建物では地盤調査が行われていないこともあり「相続した家で暮らしていきたい」「築古の中古住宅を購入してリフォームしたい」と考えている方も取り壊してから地盤調査を行う建て替えの方がおすすめなケースも。
地盤調査は安全な住まい作りにかかせない工程ともいわれ、近年の地震頻度からみてもとても重要です。
現在、建て替え工事では必ず地盤調査が実施されていますので、地盤や耐震に不安がある方はリフォームより建て替えを選択して安心安全な暮らしを手に入れましょう。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者