COLUMNコラム
- 2023.12.01
- 制度
媒介契約とは?3種類の媒介契約のメリット・デメリットを徹底比較
「一般媒介と専任媒介、違いはなに?」
「媒介契約はどれの種類がおすすめ?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
本記事では一般媒介と専任媒介、専属専任媒介の3種類の媒介契約について詳しく解説していきます。
また、それぞれの媒介契約のメリット・デメリットについても紹介。
媒介契約についての情報を分かりやすく表を使って説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.媒介契約とは?
媒介契約とは、不動産を売却や賃貸借する際に、不動産会社に仲介してもらうことを依頼する契約のことを指しています。
媒介契約は不動産物件の所有者と不動産業者が結ぶ契約で、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類に分かれています。
媒介契約は、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぐためや、受けるサービスの内容・仲介手数料などを明確にしておくために必要とされています。
以下ではそれぞれの媒介の特徴、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。
2.指定流通機構(レインズ)とは?
媒介契約を説明する上で欠かせないのが、『指定流通機構』通称レインズです。
レインズは不動産流通機構が運営している、不動産情報交換のためのコンピューターネットワークシステム。
レインズに登録すると、不動産業者全てがネットワーク上で物件を見れるようになり、多くの人の目にとめられるメリットがあります。
媒介契約には3種類あり、それぞれのレインズ登録義務は以下のようになっています。
媒介契約の種類 | 指定流通機構:レインズへの登録義務 |
---|---|
一般媒介契約 | 登録義務はない |
専任媒介契約 | 登録義務あり:契約後7日以内 |
専属専任媒介契約 | 登録義務あり:契約後5日以内 |
上記で紹介しているように、媒介契約の内容によって不動産会社がレインズに物件を登録する義務の有無が変わってきますので注意しておきましょう。
3.媒介契約の種類
媒介契約は一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類に分かれており、それぞれの違いは以下の5つの点です。
・レインズへの登録義務や掲載期間に違いがある ・報告義務の頻度の違い ・契約できる不動産会社の数に違いがある ・自分で物件の購入者を見つけること(自己発見取引)について縛りがある ・契約が有効な期間の違い |
媒介契約によって、報告の義務や契約できる不動産会社には違いがありますので、物件を売却したい目的に合わせて契約を選ぶようにしましょう。
上記の違いをそれぞれの媒介契約ごとに比較すると、以下のようになります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
レインズでの登録義務 | なし (不動産会社の任意) | あり(7日以内) | あり(5日以内) |
報告頻度 | 定められていない | 2週間(14日)に1回以上 | 1週間(7日)に1回以上 |
契約できる 不動産会社の数 | 複数の不動産会社と 一般媒介契約を結ぶことができる | 1社のみ | 1社のみ |
自己発見取引の可否 | 制限なし | 制限なし | 制限あり |
契約有効期間 | 法定上は定めらていない (行政における指導は3ヶ月以内とされている) | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
3つを比較してみると、一般媒介契約は縛りがゆるく、何社でも依頼できる契約なのに比べ、専任媒介契約、専属専任媒介契約は1社のみとしか契約できない厳しい決まりがあります。
家を早く売りたい人もいれば、あまり人には知られずこっそり売りたい人など、不動産の売り方は人それぞれです。
3つの媒介契約のメリット・デメリットを考慮した上で、自分の売りたいやり方に合っている契約を選ぶようにしましょう。
4.媒介それぞれのメリット・デメリット
一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約、それぞれのメリット・デメリットを比較していきましょう。
3つの契約のメリット・デメリットをまとめると、以下のようになっています。
媒介契約の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一般媒介契約 | ・3つの中では最も自由度の高い契約 ・複数の不動産業者に仲介を依頼することができる ・会社同士の競争があるため、営業活動が積極的になることも期待できる ・自分で買主を見つけた場合は、直接取引ができる | ・販売状況の報告義務がないため、活動の様子が分からないことも ・複数の会社と契約を結んだ場合、それぞれに連絡が必要なため手間がかかる ・レインズに登録義務がない |
専任媒介契約 | ・自己発見取引は可能なため、自分で買主を見つけることもできる ・営業活動の状況報告は、2週間に1回以上教えてもらうことが可能 | ・契約の途中解除は、不動産会社に契約不履行が認められる場合のみ ・1社のみに任せるため、その会社の力量次第で売却の時期や金額が決まってしまう |
専属専任媒介契約 | ・契約の翌日から5営業日以内にレインズに物件情報を登録することが義務付けられているため、迅速に情報を公開してくれる ・営業活動の状況も、1週間に1回以上報告してもらえる ・売主が販売状況を把握しやすい ・契約を結んだ不動産会社でしか仲介できないことから、積極的に活動をしてもらいやすい | ・自分で買主を見つけて売買するのは制限されてしまう ・契約期間中の途中解除は、不動産会社に契約不履行が認められる場合のみしかできない ・1社のみに任せるため、その会社の力量次第で売却の時期や金額が決まってしまう ・他社との競争がないため活発な営業を行ってもらえないことも |
それぞれ詳しく解説していきます。
(1)一般媒介のメリット・デメリット
一般媒介のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
#1:一般媒介のメリット
一般媒介のメリットはこちら。
・3つの中では最も自由度の高い契約 ・複数の不動産業者に仲介を依頼することができる ・会社同士の競争があるため、営業活動が積極的になることも期待できる ・自分で買主を見つけた場合は、直接取引ができる |
一般媒介のメリットは他の媒介契約と違い、複数の会社と契約を結べる自由度の高さがメリット。
1社のみではなく複数の会社に依頼できることで、不動産会社同志の競争意識が働き、売却活動が活発になることも期待できます。
また、物件を買いたい人が身近に見つかった場合、直接契約もできるため自分で売却活動を行いながら不動産会社にも依頼することができます。
一般媒介には『明示型』と『非明示型』があり、明示方は複数の不動産会社との契約を公表するタイプで、非明示型は何社に依頼しているのか公表しないタイプ。
依頼者は明示型か、非明示型を選ぶことができるため、何社に依頼しているのかを明らかにしたくない人は非明示型を選んで契約することができます。
#2:一般媒介のデメリット
一般媒介のデメリットはこちらです。
・販売状況の報告義務がないため、活動の様子が分からないことも ・複数の会社と契約を結んだ場合、それぞれに連絡が必要なため手間がかかる ・レインズに登録義務がない |
一般媒介では、複数の会社と契約を結ぶことでそれぞれの不動産会社と連絡を取る必要が出てくるため、売主に手間がかかってしまうのがデメリットです。
何度も同じ質問を受ける場合もあり、めんどくさいと感じてしまうこともあるかもしれません。
また、不動産会社からすると、積極的に営業活動を行なっても他の会社に取られてしまうこともあるため、付き合う不動産会社によっては売り出しに力を入れてもらえない場合もあります。
一般媒介は好立地・築浅など不動産会社からしても「他の会社と競争してでも売りたい」と思われる好条件や大衆受けしやすい物件の方が向いていて、大衆受けしない物件の場合は専任・専属専任契約などの方が向いている傾向にあります。
(2)専任媒介のメリット・デメリット
専任媒介のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
#1:専任媒介のメリット
専任媒介のメリットはこちら。
・自己発見取引は可能なため、自分で買主を見つけることもできる ・営業活動の状況報告は、2週間に1回以上教えてもらうことが可能 ・売りにくい物件でも、1社のみとの契約になるため、積極的に営業活動を行なってもらえる |
専任媒介のメリットは、1社しか契約を結べない媒介契約ではあるものの、自分で見つけてきた買主と直接取引は可能になる点です。
専属専任媒介契約では自己発見取引は行えないため「もしかしたら知人で購入してくれる人がいるかも」という場合は専任媒介契約がおすすめです。
#2:専任媒介契約のデメリット
専任媒介契約のデメリットはこちら。
・契約の途中解除は、不動産会社に契約不履行が認められる場合のみ ・1社のみに任せるため、その会社の力量次第で売却の時期や金額が決まってしまう ・専属専任契約に比べレインズの登録や報告頻度が遅くなる |
専任媒介契約は自己取引ができる分、専属専任契約に比べレインズの登録や報告頻度が14日に1回と少なくなってしまうデメリットがあります。
また、1社のみとの契約となるためその会社の力量次第で売却の時期や金額が決まってしまう点も注意しておきましょう。
専任媒介契約であるのにも関わらず、他の不動産会社に物件を売ってしまった場合や、売主都合で解約を申し出た際には購入希望者募集のために不動産会社が費やした広告費や交通費、通信費など人件費を含まない実費が請求されることもありますので、契約は慎重に行いましょう。
(3)専属専任媒介契約のメリット・デメリット
専属専任媒介のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
#1:専属専任媒介契約のメリット
専属専任媒介契約を結ぶメリットはこちらです。
・契約の翌日から5営業日以内にレインズに物件情報を登録することが義務付けられているため、迅速に情報を公開してくれる ・営業活動の状況も、1週間に1回以上報告してもらえる ・売主が販売状況を把握しやすい ・契約を結んだ不動産会社でしか仲介できないことから、積極的に活動をしてもらいやすい |
専属専任媒介契約は、3つの中で最も厳しい条件が定められている契約です。
1社のみの契約、自己取引の禁止や報告義務などが密に設定されていることから、不動産会社も積極的に営業活動を行いやすいメリットがあります。
また、1週間に1度は販売状況の報告を行なってもらえるため、買主からも状況が分かりやすく安心感を得ることが可能です。
#2:専属専任媒介契約のデメリット
専属専任媒介契約のデメリットはこちらです。
・自分で買主を見つけて売買するのは制限されてしまう ・契約期間中の途中解除は、不動産会社に契約不履行が認められる場合のみしかできない ・1社のみに任せるため、その会社の力量次第で売却の時期や金額が決まってしまう ・他社との競争がないため活発な営業を行ってもらえないことも |
専属専任契約では、自分で買主を見つけての売買は認められていません。
そのため、契約期間中は不動産会社に任せるしかなく、その会社の力量によって成果に変動があります。
また、契約期間の3ヶ月は不動産会社に不満があってもその会社としか契約を結べないのがデメリットのひとつ。
専属専任契約は、契約する不動産会社の力量が求められるため信頼できる不動産会社に依頼するのがおすすめです。
5.おすすめの媒介契約は?
3種類の媒介契約の中で、不動産会社は『専任媒介契約』と『専属専任媒介契約』を進めてくる傾向にあります。
その大きな理由として、不動産会社は主に仲介手数料で利益を上げているため、1社独占で売らせてくれる契約の方が会社から見てもメリットが大きいことが上げられます。
それぞれの媒介契約にメリット・デメリットがあるため、人によっておすすめの契約は変わってきますので、以下を参考にしてみてください。
一般媒介契約がおすすめの人 | ・人気エリアに物件をお持ちの人 ・物件の売却をあまり広めたくない人 ・いろんな不動産会社で契約して、ゆっくりでもいいから物件を高く売りたい人など |
専任媒介契約がおすすめの人 | ・なるべく早めに物件を売却したい人 ・知人などで物件を購入してくれる可能性がある人 ・自分でも売却活動を行いながら、不動産会社にも依頼したい人 |
専属専任媒介契約がおすすめの人 | ・売りにくい物件を早く売却したい人 ・契約時に手間をかけたくない人 ・信頼できる不動産会社を見つけた人 |
また、上記の中でどの契約にすればいいか分からず、悩んでしまった場合は『専任契約』がおすすめです。
専任契約は3つの契約の中でも、報告頻度や売るまでの早さ、手間、自由度などのバランスがよく、欠点の少ないメリットがあります。
自分がどのように物件を売りたいか考えた上で、媒介契約を結ぶようにしましょう。
6.媒介契約の違約金に注意しておこう
媒介契約の中でも、『専任契約』と『専属専任契約』では、違約金を請求される場合があるので注意しておきましょう。
専任契約または専属専任では、1つの不動産会社にしか売却を依頼できない契約です。
そのため、契約中に他の不動産会社に売却してもらった場合は違約金(広告費などの実費)を支払う必要があるので気をつけましょう。
また、専属専任で契約したのに自分で買主を見つけ売買契約を締結してしまった場合も違約金を請求されます。
少しでも知り合いに買主が見つかりそうな場合は、一般か専任媒介契約を結ぶようにしておくと安心です。
一方で、専任または専属専任契約で不動産会社が『契約内容の重要な説明をしなかった時』や『不正行為が見つかった時』などは費用を支払わずに契約を解除することができます。
一般媒介契約は期間の定めがないため、いつでも解約可能ですので、もしかしたら売却をやめるかもしれないという際には一般媒介契約を選んでおくのがベターです。
7.媒介契約を結ぶ不動産会社の選び方
数多くの不動産会社がある中で、媒介契約を結ぶ不動産会社をどのように見極めたらいいのか、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
媒介契約を結ぶ不動産会社は以下のポイントを基準に選ぶのがおすすめ。
・顧客の多い不動産会社 ・売れる価格を教えてくれる不動産会社 ・売却したい物件と同じような物件の売却を得意とする不動産会社 |
順に説明していきます。
(1)顧客の多い不動産会社
媒介契約を結ぶ際には、顧客の多い不動産会社を選ぶようにしましょう。
依頼を検討する際には、どのくらいの顧客を抱えているのか聞いて何社か検討してみるようにしましょう。
FINDは、数多くの不動産売買の実績のあるリノベーション会社です。
不動産会社の顧客や実績を知りたい場合は、一度公式のホームページなどを見てみるのもおすすめです。
(2)売れる価格を教えてくれる不動産会社
媒介契約で物件売りに出す際には、きちんと物件が売れる価格を教えてくれる会社を選ぶようにしましょう。
物件の査定をしてもらった際、査定価格が高いことだけを理由に不動産会社を選んでしまうと、売れなかった場合に価格の値下げを求められるケースもあります。
そうならないためにも、物件の適正価格と売れやすい値段、その理由まで教えてくれる不動産会社を選ぶのがおすすめです。
(3)売却したい物件と同じような物件の売却を得意とする不動産会社
不動産会社によって、得意とする物件はさまざまです。
自分が売却したい物件と同じような物件を多く取り扱っている会社を選ぶことで、顧客の層もマッチし、より早く売ることが期待できます。
媒介契約を結ぶ際には、検討している不動産会社が扱っている物件も把握しておくようにしましょう。
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ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト