COLUMNコラム
- 2023.10.13
- マンションリノベーション
中古マンションは築年数何年くらいがおすすめ?寿命、耐震性も解説
「中古マンションの築年数、何年がおすすめ?」
「中古マンションの寿命はどのくらい?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、中古マンションは何年くらいの築年数が買うのにおすすめなのかを解説していきます。
また、中古マンションの寿命や耐震性についても紹介します。
これから中古マンションの購入をお考えの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.中古マンションの築年数は何年くらいが買うのにおすすめ?
中古マンションの買い時は『欲しいと思った時』が何よりも重要ですが、お得なマンションを見極めるためには『築年数』と、同じ地域で同じ年数・間取りなどのマンションの価格を見た上で、『相場価格』を照らし合わせて選ぶのがおすすめです。
その上で、よりお得に中古マンションを購入したいと考えている方は、中古マンション価格が下がりきると言われている築25〜30年の間がおすすめ。
築年数25年を経過している物件を選ぶことで、好立地で利便性の高い住宅でも予算内に収めることが期待できます。
2.中古マンションの平均築年数
現在、売りに出されている中古マンションの平均築年数は、東日本不動産流通機構の2023年4月〜6月のレポートによると、23.8年となっています。
中古マンションの成約件数は前年同期比で 1.9%減少していますが、成約㎡単価は前年同期比で6.0%上昇し、12期連続で上がり続けています。
新型コロナウイルスや近年続いている物価高による影響もあり、中古マンションの価格は上昇を続けています。
3.中古マンションの築年数ごとにおすすめの人
築年数10年・20年・30年ごとにおすすめな人とその理由を紹介していきます。
中古マンションの築年数でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
(1)築10年の中古マンションがおすすめの人
「新築のような綺麗な状態で入居したい」「なるべく新しいほうがいい」という方には、築年数10年〜の中古マンションがおすすめです。
築年数が10年程度の中古マンションでは、設備状態も良い場合が多く、入居してからもリフォーム・リノベーションなどの必要が少ないメリットがあります。
まだまだ使用できる設備も多いため、入居後の費用を抑えられるのもポイント。
また、新築物件よりも安い価格で、比較的新しい物件に住めるのが魅力で清潔で快適な暮らしが期待できます。
築年数が浅いため、管理が行き届いていることが多く管理不足による資産価値の低下が起きにくいこともメリットのひとつです。
(2)築20年の中古マンションがおすすめの人
「なるべく安価で好立地な物件を購入したい」「売却時の価格差も気にしておきたい」と考えている人は、築20年〜の中古マンションがおすすめ。
中古マンションは築25年〜30年の間に価格が下がり切っていることも多く、もしも売却した際にも価格差が少ないメリットがあります。
新築物件より立地条件の選択肢が多くなることから、築浅だと手がでない駅近などの物件も選択肢に入れることが可能に。
また、築20年以上の中古マンションの耐震基準は新耐震基準で建てられているため、長く安心して暮らすことが期待できます。
(3)築30年の中古マンションがおすすめの人
「中古マンション購入後、リノベーションなどをして個性ある生活を楽しみたい」「なるべく広めの中古マンションを探している」と考えている方は築年数30年以上の中古マンションがおすすめです。
築30年を経過している中古マンションは建設ラッシュのタイミングで建てられた物件が多いことから、新築マンションや築浅のマンションに比べ敷地が広く建てられているケースも多いのが特徴。
さらに、築30年の中古マンションなら何度か大規模修繕を実施している場合もあるため、管理状態を見て物件を購入できるのも長く暮らしていく上で安心できるポイントです。
また、築20年代の物件から言えることですが、築30年以上の中古マンションは、築浅のマンションに比べて価格が安く好立地・好条件の物件が多い傾向にあります。
築30年のマンションに10年〜20年以上住み続けて築50年程度で売りに出したとしても、その後の売却価格に大きく差が出ることはなく資産価値が下がりにくいのもメリットのひとつです。
4.築年数の古い中古マンションのメリット・デメリットまとめ
築古の中古マンションのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
【メリット】 ・価格が安い ・好立地・好条件なマンションが多い ・何度か大規模修繕を実施しているケースも多く管理状況を把握しやすい ・リノベーションして活用することも可能 【デメリット】 ・耐震基準適合証明書等の書類がない、新耐震基準に適用していない場合は住宅ローン控除が受けられない ・設備の劣化などが考えられる |
特に、築40年を経過している中古マンションは、好立地・好条件な物件も多く、手に届きやすい価格なのがメリットですが、設備の劣化や税金の控除条件などデメリットもあることを覚えておきましょう。
5.中古マンションの寿命とは
中古マンションを築年数で選んでいると「築何年まで住めるのだろう」と、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
実は、中古マンションの寿命は、管理状態も大きく影響しているため適切なメンテナンスを行っていれば築100年以上建物を持続することが可能とされています。
また、物理的な耐用年数を見てみると、国土交通省の調査では、鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造の構造体の耐用年数は120年、外壁塗装などのメンテナンスを行った場合で150年とされています。
日本では築40年以上の物件は『旧耐震基準』を採用している建物もあるため、まだ使用できるけど新耐震基準に適用するために建て替えを行う場合も少なくありません。
また、外壁のメンテナンスや躯体に問題がない建物でも、マンションの配管の劣化などにより耐用年数が短くなるケースもあります。
海外では築100年を超えるアパートメントもあるため適切な管理・修繕を行っていれば中古マンションの寿命もその分長くなると考えられます。
6.現在の中古マンションには2つの耐震基準がある
日本の中古マンション、一戸建て住宅など全ての住まいには『耐震基準』というものが定められています。
耐震基準とは、地震がおこった際、崩壊しないように設定されている建築物の強度の基準のことです。
現在の中古マンションには、『旧耐震基準』『新耐震基準』2つの耐震基準があり、そのどちらかが採用されています。
これから購入する中古マンションに安心して長く暮らしていくためにも、どちらの基準を満たしているか知っておきましょう。
それぞれの耐震基準の違いは以下の通りです。
・新耐震基準:1981年6月1日(築40年)以降に建設された物件に適用、震度6~7の大規模地震があっても倒壊しない耐震性能が認められている ・旧耐震基準:1981年6月1日(築40年)以前に建設された物件に適用、震度5程度の中規模地震に対して倒壊しない耐震性能 |
旧耐震基準の占める割合は全国平均で20.9%になっていて、5棟に1棟は旧耐震基準のマンションがあると言われています。
築42年以上の中古マンションは、旧耐震基準のままの物件もあるため耐震基準に不安がある方は、事前に不動産会社に確認しておくのがおすすめ。
また、築年数が古い物件であっても新耐震基準に合わせて工事を行っている物件もあるため全ての築古物件が旧耐震基準ではないということも覚えておきましょう。
7.中古マンション選びのポイント5選
中古マンションの購入をお考えの方は、築年数だけではなく物件の管理状態や資産価値も意識して物件選びをしていきましょう。
特に中古マンションを選ぶ際に気にしておきたいポイントは以下の通りです。
・返済ローン計画に無理がないか ・管理状態は良好か ・空室はどのくらいあるか ・資産価値はどうか ・生活スタイルの変化に対応できる物件か |
順に説明します。
(1)返済ローン計画に無理がないか
中古マンション選びをする際には、予算内に収まっているか、返済ローン計画に無理のない物件かどうかを見極めるのが重要です。
中古マンションを購入する際は、初めに物件の予算、リフォーム・リノベーションが必要な場合はその工事費用まで合わせて資金計画を立てるようにしましょう。
残さなければならない貯蓄金額や最初に支払う頭金、諸費用として用意できる資金を分けて考え、年収と生活費から毎月の返済可能額を計算しておくのがポイント。
無理のない範囲でローンを組むためにも、借入可能額のシミュレーションなどを行いその後のライフイベントも考慮して予算設定を行いましょう。
FINDではお金のプロである専任のFPが、お客様一人ひとりに合わせた資金計画の作成を行っています。
FINDを利用されるお客様なら誰でも無料で利用できるサービスですので、「まだ予算が決まらない」「自分の適切な予算がわからない」という方もお気軽にご相談ください。
(2)管理状態は良好か
中古マンションを選ぶ際には、管理状態を見て物件を選ぶのがポイントです。
特に、中古マンションの修繕工事が長期修繕計画書によって適切な時期に行われているか、エントランスは綺麗に保たれているか、修繕積立金の滞納はないかなどを確認しておくようにしましょう。
実は、「マンションは管理を買え」という言葉も耳にするほど、中古マンションの管理は物件の寿命に大きく関わっています。
マンションが将来にわたって安全・安心に暮らしていけるのかを判断するためにも、信頼できる不動産会社に相談しながら中古マンションの管理状態を確認しておくようにしましょう。
(3)空室はどのくらいあるか
中古マンションの購入をお考えの際には、購入したい物件の他に同じマンションにどのくらい空室があるのかを確認しておくのがポイント。
空室が目立つ場合は、管理体制や入居者マナーなど目に見えない欠点が隠されている可能性もあり、その後の修繕積立金の徴収が足りなくなってしまうなども考えられます。
修繕積立金の適切な徴収には、住民が長期間にわたって住み続けている必要があるため、多すぎる空室には注意が必要。
また、将来的に人口が減っていくようなエリアなのかもチェックしておくことで、長く安心して暮らせる中古マンションか見極めることができます。
(4)資産価値はどうか
中古マンションを選ぶ際には、売却予定がなくても資産価値の面からも物件チェックをしておきましょう。
中古マンションの資産価値の大部分には『立地』が関係していることが多く、特に人気のエリアや駅近などは価格が落ちずらい傾向にあります。
また、購入時に近隣のマンションと比較して価格は高すぎないかを確認しておくのもポイント。
もしもの売却時に、購入時との価格差を少なくすることで大きな損失を防ぐことに繋がります。
(5)生活スタイルの変化に対応できる物件か
中古マンションを選ぶ際には、生活スタイルの変化に対応できる物件かどうかも確認しておきましょう。
生活スタイルは年々変化していくため、子供の巣立ちや同居人数の変更などがあった場合に、間取り変更などのフルリノベーションを行える物件だと長く暮らしていくことが予想できます。
また、将来子供などが住み継ぐことも視野に入れている方は、より柔軟にライフスタイルに対応できる家が望ましいでしょう。
中古マンションのリフォーム・リノベーションをお考えの際には、マンションの構造にも注目してみるのがおすすめ。
中古マンションの構造には大きく分けて『ラーメン構造』と『壁式構造』の2種類があります。
ラーメン構造では柱と梁の部分を残しておけば、比較的自由にリフォームやリノベーションができるため壁や間仕切りを取っ払って大きく内装を変えたいと考えている方におすすめ。
壁式構造は、ラーメン構造のように柱や梁が室内に張り出していないため、室内をすっきりとした印象が好きな方におすすめです。
8.中古マンション購入時の注意点
中古マンション購入時に住宅ローンを利用する場合は、新築と比較して返済期間が短くなったり、融資額が低くなってしまうこともあるため、住宅ローンの返済期間と融資制限に注意が必要です。
また、住宅ローン控除が適用されるためには『新耐震基準適合住宅』であることが条件になっていますので築年数の経過している住宅の場合は事前に耐震基準の確認をしておきましょう。
築年数が経過している中古マンションでは、物件の担保価値が低いとされ審査に通りづらくなるケースもあるため、上記でも説明したように資産価値にも注目して物件選びをするのがおすすめです。
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ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者