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【まとめ】2023年の中古マンション購入時に利用できる補助金|減税制度

「中古マンション購入時に利用できる補助金はある?」
「中古マンションのリフォーム・リノベーションで利用できる補助金は?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

本記事では中古マンション購入時に利用できる補助金から、リフォーム・リノベーションに使用できる補助金まで詳しく解説していきます。

また、中古マンション購入時に使用できる減税制度についても紹介。

これから中古マンションの購入をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。


目次

1.中古マンション購入時に利用できる補助金6つ

2023年9月時点で、中古マンション購入だけに対して利用できる国の補助金はありませんでした。

過去には『すまい給付金』や『グリーン住宅ポイント制度』など中古マンションの購入に対して利用できる制度もありましたが、どちらも終了しています。

しかし、お住まいの地域によっては自治体で補助金を導入している場合もあります。

中古マンションを購入する際には、一度利用できる補助金がないかを自治体や市役所などで確認してみるのがおすすめ。

ここでは、中古マンションの購入と同時にリフォーム・リノベーションをする際などに利用できる以下の補助金について、詳しく紹介していきます。

・こどもエコすまい支援事業
・先進的窓リノベ事業
・給湯省エネ事業
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・各自治体の補助金

順に説明していきます。

(1)こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯、若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得の場合、最大100万円、リフォームなどの場合は最大60万円の補助金を受け取ることができる事業です。

住宅の省エネ改修等に対して支援をすることで、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資を支え、2050年のカーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。

中古マンションのリフォームの場合は、実施する工事発注者の属性に応じて、5万円〜60万円が補助されます。

中古マンションの際に、対象となる工事は以下のものがあります。

・開口部の断熱改修
・外壁、屋根、天井または床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能つきエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険などへの加入

工事内容には同時に行うことで補助金を得られるなど細かい条件が定められているものもありますので、利用をお考えの方は公式ページで確認してみてください。

対象者などの詳しい条件は以下の通りです。

補助対象・申請時点において、子(年齢は令和4年4月1日時点で18歳未満。
・平成16年4月2日以降出生の子を有する世帯
(令和5年3月31日までに建築着工するものについては、令和3年4月1日時点)
・申請時点において夫婦であり、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯
補助額リフォームの場合、実施する補助対象工事および工事発注者の属性等に応じて5万円から60万円
対象工事の着手期間2022年11月8日以降
交付申請期間2023年3月31日~予算上限に達するまで
(遅くとも2023年12月31日まで)
公式サイトこどもエコすまい支援事業

(2)先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業は、既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることによって、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)をなどを目指して最大200万円までを補助してくれる事業です。

2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減への貢献、2050年にZEH基準の省エネルギー性能の確保への貢献を目指しています。

先進的窓リノベ事業の対象工事には以下のものがあります。

・ガラス交換
・内窓設置
・外窓交換

中古マンション購入後、窓などの断熱性能を上げるために工事を行う方は、補助金を受け取れる可能性があるため不動産会社などに確認しておきましょう。

対象者など詳しい条件は以下の通りです。

補助金対象者・窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をする人
・窓のリフォーム工事をする住宅の所有者
補助額一戸当たり、5万円から最大200万円まで補助
(実施する補助対象工事の内容に応じて定額)
着工日窓リノベ事業者における登録申請日以降
対象期間2022年11月8日~遅くとも2023年12月31日
交付申請期間2023年3月31日~予算上限に達するまで
(遅くとも2023年12月31日まで)
公式サイト先進的窓リノベ事業

(3)給湯省エネ事業

給湯省エネ事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野に高エコキュートなどの効率給湯器の導入支援を行う、最大15万円の補助が受けられる事業です。

エコキュートなどの普及拡大によって「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に近づくことを目的としています。

また、給湯省エネ事業は、契約した事業者が手続きを行うため、補助対象者は申請手続きは以下のように業者が行います。

・新築住宅の場合:建築事業者(工事請負業者)が手続き
・新築分譲住宅の場合:販売事業者(販売代理を含む)が手続き
・既存住宅(リフォーム)の場合:施工業者(工事請負業者)が手続き

上記を見ながら工事会社などに補助金の申請時期などを事前に確認しておくようにしましょう。

対象者などの詳しい条件は以下のようになっています。

補助金対象者・既存住宅のリフォーム工事発注者
補助額・家庭用燃料電池(エネファーム):15万円
・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機):5万円
・ヒートポンプ給湯機(エコキュート):5万円
補助上限戸建住宅:いずれか2台まで
共同住宅等:いずれか1台まで
着工日工事の引渡し、または補助事業者による給湯器の利用開始のいずれか早い方
対象期間2022年11月8日~遅くとも2023年12月31日
交付申請期間2023年3月31日~予算上限に達するまで
(遅くとも2023年12月31日まで)
公式サイト給湯省エネ事業

(4)既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすために高性能建材などを利用する工事に対して、15万円(玄関ドアも回収する場合は1住戸あたり20万円)の補助金を給付している事業です。

2023年からは居間の窓のみをリフォームして所定の要件を満たしたときも、補助の対象となりました。

補助の対象となる製品はこちらのページから検索することができます。

その他の対象者や詳しい条件は以下のようになっています。

補助対象者・補助の対象となるリフォームを行った人
補助対象工事・トータル断熱:15%以上の省エネ効果が見込まれる改修率を満たす高性能建材(断熱材・窓・ガラス)を用いた所定の断熱リフォーム
・居間だけ断熱:居間に高性能建材(窓)を用いた断熱リフォーム
補助額・高性能建材:15万円
(玄関ドアも回収する場合は1住戸あたり20万円)
・熱交換型換気設備など:5万円
公募スケジュール令和5年9月4日(月)~令和5年12月8日(金)17時メール必着
(補助事業公募期間内であっても住宅区分ごとの申請金額の合計が予算に達した日の前日をもって公募を終了)
完了実績報告書の締め切り令和6年2月16日(金)必着
公式サイト既存住宅における断熱リフォーム支援事業

(5)長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、良質な住宅の形成や、子育てしやすい生活などの環境整備などを図るため、 既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する工事に対して、最大250万円の補助を受け取ることができる事業です。

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、対象事業者と工事契約を行った上で事業者が申請する制度です。

対象工事など詳しい条件は以下のようになっています。

補助を受けるための条件・リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、 維持保全計画及びリフォームの履歴を作成すること
・リフォーム工事後に構造躯体等の劣化対策、耐震性(新耐震基準適合等)、省エネルギー対策の基準など性能基準を満たすこと
・性能項目の性能向上に資するリフォーム工事、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性の向上改修工事、レジリエンス性の向上改修工事のいずれか行うこと
・住戸面積の確保、居住環境、維持保全計画の策定の要件に適合すること
補助対象工事・耐震改修工事
・断熱改修工事等の性能向上工事など
・また、上記2つの工事と合わせて行う工事も対象になる場合があります
補助額・長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの一定の性能向上が認められる場合:最大150万円/戸
・長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合:最大250万円/戸
公式サイト長期優良住宅化リフォーム推進事業

(6)各自治体の補助金

上記で紹介した中古マンションのリフォーム・リノベーションに使用できる補助金の他にも、各自治体によって補助金が受け取れるケースもあります。

中古マンションの購入後、リフォーム・リノベーションして住宅性能を上げたいと考えている方は、様々な補助金がありますのでぜひ活用してみてください。

2.中古マンション購入時に利用できる減税制度4つ

中古マンション購入時には、物件の状態、築年数によって様々な減税制度を受けることができます。

中古マンション購入時に利用できる補助金は以下のものがあります。

・住宅ローン控除
・不動産取得税の特別措置
・固定資産税の減税制度
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

順に説明していきます。

(1)住宅ローン控除

住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」と言い、住宅ローンを利用して家を購入した人に対して税金還付を行う制度になっています。

住宅ローン控除は、2022年の税制改正により一部要件を変更し、2025年まで延長されることが決定しました。

住宅ローン控除の対象となる物件と適用条件は以下の通りです。

中古マンションの状態・床面積が50平方メートル以上の住宅
・1982(昭和57)年以降に建築された住宅である(ただし、1982(昭和57)年以前の住宅においても、「耐震基準適合証明書」あるいは「既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書」など耐震性を確保している証明書があれば、住宅ローン控除の適用となる)
・同一生計にある家族から購入したものではない物件
・贈与物件ではないこと
控除対象者の条件控除を受けようとする年の所得が2,000万円以下の人
住宅ローン条件・金融機関や共済組合、公的ローンなどによる借り入れ
・10年以上の返済期間でローンを組んでいること

住宅ローン控除を受けるには、そのマンションの購入後6ヶ月以内に住み始め、その年の12月31日まで継続して住んでいることが必要です。

中古マンションの購入で住宅ローンを利用する方は、条件に当てはまっているか不動産会社や住宅ローンを借りる銀行に確認しておくようにしましょう。

(2)不動産取得税の特別措置

中古マンションを購入すると、不動産を取得したことに対して都道府県に支払う地方税として、『不動産取得税』の支払いが必要になります。

不動産取得税の特別措置は、建物と土地のそれぞれに対して異なる措置があり詳しい条件は以下の通りです。

【建物の軽減措置】

中古マンションの軽減措置を受ける条件・課税床面積が50~240平方メートル
・居住用の住宅
・所定の耐震基準を満たす
控除額築年数により変動

【土地の軽減措置】

土地の軽減措置は複雑で以下のいずれか高い方が対象になります。
・(土地1㎡あたりの固定資産額×1/2)×(住宅の課税床面積※×2)×3%の金額
・45,000円

不動産取得税の軽減措置を適用する場合は、申請が必要になります。

申請書の提出期限は、不動産を取得してから原則として60日以内ですので、中古マンション購入時に不動産会社に相談しておくようにしましょう。

(3)固定資産税の減税制度

中古マンション購入時には、一定の条件を満たすことで固定資産税の減税制度を利用できます。

築浅の中古マンションを購入した場合は、固定資産税の計算に必要となる課税評価額が減税されます。

詳しい条件は以下の通りです。

減税額200平方メートル以下の部分:課税評価額が6分の1に減額
200平方メートルを超える部分:課税評価額が3分の1に減額
条件3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅:新築後5年間
上記以外の新築住宅:新築後3年間

築浅の中古マンションを購入した場合は、『新築住宅に係る税額の減額措置』『認定長期優良住宅に関する特例措置』の未経過期間については軽減措置を受けることが可能。

また、中古マンションを購入後、所定のリフォーム工事を行った場合も、固定資産税の軽減措置を受けられる場合がありますので、購入時に確認しておくのがおすすめです。

(4)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置とは、中古マンションの購入をする際、資金援助を受けた場合に使用できる非課税措置です。

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の上限や詳しい条件は以下の通りです。

特例を受ける人の条件・贈与する側の直系卑属(子、孫など)
・贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上
・合計所得金額が2,000万円以下(対象となる建物の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満のときは1,000万円以下)
・2009年~2014年の間に住宅取得資金贈与の特例を適用していない
特例を受ける物件の条件・配偶者や親族などの関係にある方から取得した不動産でないこと
・建物の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、半分以上が居住のために用いられること
・築25年以下、あるいは現行の耐震基準を満たしていること
非課税になる上限額省エネ住宅:最大1500万円
上記以外の住宅:最大1000万円

住宅取得資金贈与の特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日の間に所轄の税務署で申告手続きが必要です。

最大1,500万円まで非課税で受け取れる制度ですので、利用される方は忘れずに申請を行いましょう。

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海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者