COLUMNコラム

こどもエコすまい支援事業とは?概要と条件をわかりやすく解説

「こどもエコすまい支援事業って、だれが利用できるの?」
「補助金給付の工事内容等に制限はあるの?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

本記事では『こどもエコすまい支援事業』の概要から条件について詳しく紹介しています。

また、対象者や申請手続きについても解説していますので、これから住宅を取得する人、エコリフォームをお考えにの人なども参考にしてみてください。


目次

1.こどもエコすまい支援事業の概要

こどもエコすまい支援事業』とは子育て世帯、若者夫婦世帯を対象にZEHレベル基準を満たす新築住宅に100万円の支援を行う国土交通省による補助金事業です。(リフォームの場合は0~60万円)

ZEHレベル基準とは、高い断熱性能をベースに『省エネ』『創エネ』を組み合わせ、住宅のエネルギー消費量がおおむねゼロになる住まいのこと。

2025年に義務化が求められる省エネルギー基準よりも、さらにグレードの高いものが『ZEH基準』といわれています。

こどもエコすまい支援事業では、注文住宅や新築分譲住宅の購入、省エネリフォーム等を行う世帯を幅広く支援しています。

また、こどもエコすまい支援事業の適用を受けるための条件を以下で詳しく解説していきます。

2.【注文住宅・新築分譲住宅の場合】こどもエコすまい支援事業を受ける条件

こどもエコすまい支援事業を受けるには、『対象者と対象住宅』両方の条件に当てはまっている必要があります。

注文・新築住宅購入の場合と、リフォームの場合では少し違いがありますので、間違えないように注意しましょう。

(1)注文・新築住宅のこどもエコすまい支援事業の給付対象者

注文・新築住宅の場合の給付対象者は2つの条件に当てはまっている必要があります。

①子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかである

・子育て世帯:申請時点において、2004年4月2日以降に出生した子を有する世帯(令和5年3月31日までに建築着工​するものについては、2003年4月2日以降)
・若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯(令和5年3月31日までに建築着工​するものについては、1981年4月2日以降)

②こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約を締結し、住宅を新築する、新築分譲住宅を購入(所有)する方
※住宅を購入する方は宅地建物取引業の免許を有する事業者からの購入に限る

こどもエコすまい支援事業を受けられる住宅は、令和4年11月8日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手した住宅が補助対象です。

(2)こどもエコすまい支援事業の対象となる新築住宅

こどもエコすまい支援事業の対象となる新築住宅は以下の7つの条件全てを満たす必要があります。

①所有者(建築主)自らが居住する、住民票のある住宅
②住戸の床面積が50㎡以上
③土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
④都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの
⑤未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
⑥証明書等により、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有することが確認できる住宅
⑦交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる

こどもエコすまい支援事業を利用するためには、申請時に建築士による証明書が必要となっています。

基礎工事(杭基礎の場合は杭工事)が完了しているか、住戸あたりの補助額(100万円/戸)に総戸数を乗じた金額以上の工事が完了していれば申請可能ですので、不動産会社等に確認しておきましょう。

詳しい内容は公式ページから確認してください。

(3)注文・新築住宅の場合の給付金額

こどもエコすまい支援事業の注文・新築住宅の場合の給付金額は、1戸あたり100万円です。

リフォームの場合とは違い、工事内容等によって給付金額が変わることはありませんのでよく確認しておきましょう。

3.【リフォームの場合】こどもエコすまい支援事業を受ける条件

リフォームを行う場合の、こどもエコすまい支援事業を受ける条件は以下のようになっています。

注文・新築時に比較すると補助金は少ないですが、その分対象も広くなっていますので、利用条件に当てはまっている場合は忘れずに申請しましょう。

(1)リフォームのこどもエコすまい支援事業給付対象者

すでに住宅を取得していて、リフォーム工事でこどもエコすまい支援事業の給付を受ける方は以下2つの条件になります。

①こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
②リフォームする住宅の所有者等であること
【住宅所有者の条件】
・住宅を所有し、居住する個人またはその家族
・住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
・賃借人
・共同住宅等の管理組合・管理組合法人

また、住宅の所有者には買取再販事業者も含まれています。

ただし、別の工事施工者にリフォーム工事を発注する(工事請負契約がある)場合に限られるので注意が必要です。

(2)こどもエコすまい支援事業の対象となるリフォーム工事

こどもエコすまい支援事業の対象となるリフォーム工事は、以下の3つどれか当てはまるものになっています。

①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置

例外として、「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」において交付決定を受けている場合は、上記のいずれかに該当する工事を含んでいるものとして取り扱いされます

また、上記3つの工事と同時に以下の工事を行う場合には、合わせて補助金の対象となります。

・子育て対応改修
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険等への加入

リフォームのこどもエコすまい事業では、申請する補助額の合計が5万円未満の工事は補助の対象になりませんので注意しておきましょう。

また、申請する際には、対象工事に関する証明書等が必要です。

上記の工事内容であっても、リース設備の設置や中古品を利用した工事は補助金の対象外とされています。

工事内容がきちんと対象内なのか、事前に確認しておくことが重要です。

詳しい内容は公式ページに細かく指定されていますので、確認しておきましょう。

(3)リフォームの場合のこどもエコすまい支援事業給付金額

リフォームのこどもエコすまい支援事業給付金額は『対象工事内容ごとの補助額の合計金額』となります。

同一住宅に複数回のリフォーム工事を行う場合には、補助上限額30万円以内の範囲で申請を行うことが可能です。

ただし、以下の条件に当てはまる場合は30万の上限を引き上げることができます。

・子育て世帯または若者夫婦世帯が、自ら居住する住宅に行うリフォーム工事
・工事発注者が、自ら居住するために購入した既存住宅に行うリフォーム工事(条件あり)

上記2つの条件は、『注文・新築分譲住宅』時のこどもエコすまい支援事業と同じ内容になっています。

2つの条件に当てはまった場合の上限補助額は以下の通りです。

子育て・若者夫婦世帯既存既存住宅購入1戸あたりの上限補助額
該当する該当する60万円
該当する該当しない45万円
該当しない該当する(安心R住宅に限る)45万円
該当しない該当しない30万円

子育て世帯や若者夫婦の世帯には、最大で60万円の補助金を受け取ることが可能。

また、『注文・新築分譲』時のこどもエコすまい支援事業の条件に当てはまらない人も、リフォームでは補助金を受け取ることができますのでより幅広い世帯で活用が期待できます。

4.こどもエコすまい支援事業の申請手順

こどもエコすまい支援事業の申請手順は以下の通りです。

①不動産会社・リノベーション会社と工事請負契約を締結
②不動産会社・リノベーション会社が事業者登録を実施
③対象工事を始める(工事着工)
④不動産会社・リノベーション会社が交付申請を行う
⑤補助金が不動産会社・リノベーション会社へ交付
⑥不動産会社・リノベーション会社から補助金分が還元
⑦建物の完成(工事完工)
⑧引き渡し
⑨不動産会社・リノベーション会社がこどもエコすまい支援事業に完了報告を行う

こどもエコすまい支援事業の申請は、工事契約をした不動産会社・リノベーション会社が行ってくれますので利用したい旨を最初に伝えておくと安心です。

5.こどもエコすまい支援事業の期限はいつまで?

こどもエコすまい支援事業の期限は注文・新築住宅と同様にリフォームに対しても以下の期限が定められています。

工事請負契約日の期限期限の定め無し(ただし、建築着工​までに契約が締結されている必要があり)
基礎工事の完了期限遅くとも2023年12月31日まで
「基礎工事より後の工程の工事」への着手期限2022年11月8日以降に、一般的に基礎工事の次の工程である地上階の柱、または壁の工事等を開始するものが対象となる。期限の定め無し。

工事工程等の難しい言葉が並んでいますが、簡単に説明すると『住宅の基礎部分が2023年12月31日までにできていれば申請可能』ということです。

また、リフォーム工事では遅くとも2023年12月31日までに工事が始まっていれば給付対象となりますので工事スケジュールをよく確認しておきましょう。

6.【要確認】こどもエコすまい支援事業の注意点

こどもエコすまい支援事業を利用する際は、他の補助金と併用できるかどうか等を事前に確認しておきましょう。

ここではこどもエコすまい支援事業の注意点を2点紹介します。

(1)国の補助金は重複利用できない

こどもエコすまい支援事業を利用する場合、その他の国が主催している「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」等の補助金は利用できません。

地方公共団体の補助金制度であれば、国費が充当されているものを除き併用できる場合もありますので、お住まいの市町村に確認しておくのがおすすめです。

(2)財産処分の制限がある

こどもエコすまい支援事業の補助金交付を受けた建築主は、補助金の交付を受けて取得した住宅について、 10年間は国または事務局の承認なく譲渡、交換、貸付、担保取り壊しができなくなります。

しかし、住宅として販売、譲渡または貸し付け等を行う場合は良いとされるケースもありますので、長く住み続ける住宅の補助金制度として利用するようにしましょう。

こどもエコすまい支援事業は、これから住宅を取得する方や既存住宅をより暮らしやすくする方におすすめな補助金制度です。

ZEH住宅にすることで家の資産価値が上がったり、高断熱の性能によってより快適で暮らしやすい住まいを目指せます。

また、太陽光等を取り付けることによって使わない分の電力は売却することができますし、もしもの災害時用に蓄えておくことも可能に。

いつ起こるか分からない自然災害への備えにもなりますので、ぜひ『こどもエコすまい支援事業』をうまく利用しながらより安心で安全な住まいを手に入れましょう。

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海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者