COLUMNコラム
- 2022.05.13
- リノベーションの知恵
理想のリノベーションを成功させるコツは?物件選びのポイント
理想の住まいを実現する方法には、注文住宅を新築する以外に、現在の家や中古住宅をリノベーションするやり方もあります。しかし、リノベーションは制約や工程が多いイメージも強く、失敗なく進められるか不安な方もいるでしょう。
今回は、リノベーションの進め方や成功させるためのコツ、物件選びのポイントなどを解説します。現在の住まいに不満を抱えている方や、リノベーションを前提に中古住宅をお探しの場合は、ぜひこちらの情報をご活用ください。
目次
リノベーションの進め方
リノベーション業者と要望の共有
最初に、打ち合わせを通してリノベーション業者(リフォーム会社)に要望を伝えます。要望は可能な限り具体的に伝えるのがコツです。「内装をおしゃれにしたい」「住みやすくしたい」といった大まかな要望ではなく、「対面キッチンにしたい」「スケルトンリノベーションで間取りを変更したい」など、住まいの不満点をもとにリクエストを明確化しましょう。リノベーション事例の紹介や雑誌から理想に近い写真を用意しておくと、担当者に伝わりやすくなります。
また、打ち合わせでは、リノベーションの内容だけでなく物件選びや資金計画についてもアドバイスをもらえます。住宅ローンの必要性やリノベーションにかかるコストなど、わからないことがあれば積極的に質問しましょう。
物件探し・現地調査
次に、中古住宅に手を加える場合は、リノベーションを行う物件を探します。物件のエリア、築年数、広さなどを基準に選びましょう。予算内で物件購入・リノベーションを行うには、物件価格とリノベーション費用のバランスを考慮することが大切です。物件価格が高すぎると予算が足りなくなり、イメージしたリノベーションを実現できない可能性があります。また、今の自宅をリノベーションする場合も、家の状態などを確かめるために現地調査を行います。
リノベーション計画の策定
次は、希望した内容を実現できるか、どのように実現するかをリノベーション業者と協議して計画します。最初に伝えた要望をもとに担当者がプランをまとめ、提案する流れが一般的です。この段階で、リノベーションする箇所について、デザインや使用する素材を具体的に決めます。また、リノベーションにかかる費用や工期もプランニングし、工事内容を確定させましょう。予算が足りない場合は、工事内容を一部変更したり、コストの低い素材に置き換えたりする必要があります。
工事の着工
最後に、担当の工事業者が物件の工事を実施します。工事中も経過や中間報告を確認するのがコツです。工事内容がイメージと違っていた場合は、変更できる可能性があります。工事が終わった後に修正をするのは難しいため注意しましょう。
工事が終了に近づいたら、リノベーション業者に立ち会ってもらい、建物の最終チェックを行います。こちらの作業は「竣工検査」と呼ばれます。工事内容の不備や設備の傷などがないか確認し、工事を完了させる作業です。入居後のトラブルを防止するためにも、気になる点があればすぐに伝えましょう。
リノベーションを成功させるためのコツ
改善したいポイントを洗い出す
リノベーションを成功させるには、今の住まいに不満を感じている箇所やより良くしたい点を整理するのがコツです。例えば、「リビングが狭い」「子どもがいるので床の防音性が不安」など、不満点や解消したい点を整理することで、リノベーションしたい箇所が見えてくるはずです。まずはある程度予算を度外視し、技術的な点も意識せずに改善したいポイントを洗い出しましょう。
また、今の家で気に入っている点もメモしておくのがおすすめです。「開放的な間取りでどこにいても家族の気配を感じられる」「断熱性が高いため夏は涼しく冬は暖かい」など、具体的に列挙しましょう。リノベーション業者との打ち合わせ時に伝えることで、気に入っている点を踏まえた家づくりが可能になります。
情報収集をする
実現したいイメージを具体化し、リノベーション会社に伝えるためには情報収集が大切です。情報が不十分だと、細部がリノベーション会社任せになってしまい、理想の住まいを実現できない可能性があります。また、情報収集をして要望を具体化することで、プランやコストも把握しやすくなり、リノベーション会社の選択にも役立ちます。
情報収集に活用できるのが、リノベーション会社のWebサイトで公開されている施工事例です。リノベーションで変わった箇所の写真やコンセプト、工事費用などを紹介しています。具体的な事例を見ることで自分が実現したい部屋や家のイメージを固められます。一緒に住む家族の要望も聞いておくと良いでしょう。
リノベーションの優先順位を決める
予算が限られている場合、全ての要望を実現するのは現実的ではありません。理想の住まいに近づけるためには、リノベーションしたいポイントに優先順位を付ける必要があります。具体的には、要望を「必ず実現したいこと」「できれば実現したいもの」「余裕があれば取り入れたいもの」に分類しておくと良いでしょう。やりたいことをリスト化しておくと、スムーズに順位付けしやすくなります。
複数の業者を比較して決める
リノベーション業者によって得意な分野が異なるため、必要な費用や仕上がりにも違いが生まれます。例えば、全国展開しているハウスメーカーはノウハウが豊富でサービスも充実しているものの、費用は高くなる傾向にあります。地域密着型の工務店は、コストを安価に抑えられますが、工事内容が限定されるケースも。リノベーションを成功させるには、複数の業者のメリット・デメリットを比較することが大切です。
説明や相談は無料で受け付けてくれるところも多く見られます。あらかじめ準備したリノベーションの要望や予算を伝えて、希望の工事が可能か、担当者との相性は良いかなどの点をチェックしましょう。また、リノベーションにかかる費用の見積りをもらうと、他社と比較しやすくなります。
リノベーションする物件を選ぶコツ
物件の構造を確認する
物件の構造によってはリノベーションできる内容に制約が生じます。部屋の間取り変更の際に移動できない壁があるためです。一戸建ての場合、2×4工法(木造枠組壁構法)の物件は壁の移動が難しく、フルリノベーションはしづらい傾向にあります。マンションでは、壁式構造の物件は間取り変更の自由度が低いため、制限の少ない中古マンションを希望する場合はラーメン構造の建物を選ぶのが無難です。物件がどの構造に該当するのか、購入前に不動産会社やリノベーション業者に尋ねると良いでしょう。
物件の状態を調べる
中古物件を購入する際は、普段は見えない箇所の状態も把握しておくことが大切です。築年数が古い物件は、配管や床下が傷んでいる可能性もあるためです。購入後に発覚した場合は、修繕工事をするのに費用がかかります。また、着工後に物件の瑕疵(欠陥)が見つかった場合は、予定していた工事を行えないケースもあります。物件探しをする際は、過去の修繕履歴や今後の修繕予定もヒアリングしておき、必要であれば住宅診断(ホームインスペクション)も実施しましょう。
マンションの場合は管理規約をチェックする
マンションのリノベーションを検討する場合は、管理規約に一度目を通しましょう。管理規約とはマンションでの暮らしを快適に過ごすために定められたルールのこと。共用部分の使い方や理事会の規定などのほか、リノベーション「できない場所」や「できないこと」について決められている場合もあります。具体的には、水回り設備の移動不可、フローリングへの変更禁止などです。規約内容によっては理想のリノベーションを実現できない可能性もあるため、事前に確認しておくと安心です。
「リノベーションのコツを理解して理想の住まいを実現しよう」
今回は、リノベーションを成功させるためのコツや、失敗しないための物件の選び方などをお伝えしました。リノベーションをする際は、予算や構造、管理規約などの影響で、さまざまな決断を求められることがあります。そのような場合に備えて、適切に情報収集や優先順位付けを行い、理想の住まいを実現しましょう。
また、リノベーションを成功させるには、早い段階で信頼できる業者を見つけることも重要です。FINDでは、各種リノベーションのご相談を承っています。お見積りやご相談は無料で行っていますので、ぜひ一度お問い合わせください。
ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者