COLUMNコラム
- 2021.08.21
- リノベーションのお金
スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットと費用の相場
リフォームとひとくちにいっても、工事の内容によって多彩な種類が存在します。なかでも、押さえておきたいのが「スケルトンリフォーム(スケルトンリノベーション)」です。スケルトンリフォームをすることで、築年数が長い中古物件も、新築のように生まれ変わらせることができます。長く住み続けられる快適な家づくりをご希望なら、ぜひスケルトンリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。今回は、スケルトンリフォームの基礎知識やメリット・デメリット、費用相場、素敵な実例などをご紹介します。
目次
スケルトンリフォームとは?
スケルトンリフォームとは?
スケルトンとは、骨組みという意味のことばです。リフォームにおいては、建物の構造躯体を指して使われます。
スケルトンリフォームとは、建物の内装や設備、外装などを取り外し、大規模な施工を行い、建物を一新することです。スケルトンリノベーションとも呼ばれることがあります。スケルトン状態になった住宅を全面リフォームし、好きな間取りやデザインへ変えられるのが魅力です。
スケルトンリフォームができない建物の特徴
一戸建てでは、構造によっては間取り変更ができない可能性があります。2×4工法、プレハブ工法などで建てられた物件などは、基本的にスケルトンリフォームは難しいと考えておきましょう。
また、マンションの場合、構造上は可能でも、管理規約でリフォーム可能な範囲が限られることがあります。施工を検討する前に、管理会社に確認してみましょう。
スケルトンリフォームのメリット・デメリット
メリット
メリット1:新築に建て替えるより費用を抑えられる
スケルトンリフォームをすると、費用を抑えて新築同様の建物に一新できます。内装だけでなく、外観のリフォームも可能なため、新築に住むような印象に導くことも可能です。リフォーム内容はもちろん、リフォーム会社によっても価格は変動するため、できれば複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。
また、リフォームの際はローンを組んで料金を支払うこともできます。場合によっては、リフォームローンだけでなく、金利の低い住宅ローンを組み合わせて使えることも。見積もりの際、リフォーム会社へ相談してみましょう。
メリット2:リフォームの選択肢が広い
一室のみリフォームをする場合は、工事する部分が内装やフローリングのみなどに限られます。スケルトンリフォームをすると、住宅全体の大幅な変更が可能です。壁をなくして部屋を拡張し、間取りを変更することもできます。水回りの位置を変えるなど、より住む人のライフスタイルに合った家づくりが行えます。
メリット3:設備を刷新できる
長く住んでいる建物では、設備が老朽化しているケースもあります。スケルトンリフォームであれば、内装や間取りだけでなく、配管や断熱材などを更新できます。場合によっては、耐震構造を強化するための工事が可能なことも。快適に過ごすための設備を変更できるため、これからも長く住み続けたいときにぴったりです。
デメリット
デメリット1:仮住まいが必要
スケルトンリフォームは、建物の下地、配管、配線まで含めて撤去して行う場合があります。施工中は住み続けられないため、生活のために一時的な仮住まいを確保しなければいけません。その際に、引っ越し費用や、賃貸物件、ウイークリーマンションを借りる費用などが発生します。
デメリット2:工期が長くなる場合がある
スケルトンリフォームは、施主の依頼内容によって工事期間に差があります。広さや設備など、それぞれ物件の特徴が異なるためです。知人や既存の施工事例を参考に工期を予測すると、想定以上に長くなる可能性があります。希望するスケジュールがある場合は、リフォーム・リノベーション会社に確認しておきましょう。工期に関する要望がある場合は、物件の購入・リノベーション・資金計画までまとめて相談できるワンストップ型のリノベーション会社に依頼するのがおすすめです。引き渡しまで一貫して担当してもらえるため、効率的なスケジュールを組んでもらいやすいメリットがあります。
スケルトンリフォームの費用の相場
一戸建ての場合
リノベーション費用の総額 | 1,500万円~2,500万円 |
屋根・外装 | 100万円~300万円 |
内装 | 60万円~200万円 |
フローリング | 100万円~150万円 |
設備機器交換 | 350万円~600万円 |
サッシ | 50万円~300万円 |
耐震・断熱 | 100万円~500万円 |
その他 | 30万円~200万円 |
設計・現場監理・諸経費 | 30万円~100万円 |
一戸建ての場合、リノベーション費用の総額は1500~2500万円が目安です。詳細な金額はケース別で異なりますが、マンションのリノベーションよりも高額になる傾向にあります。延べ床面積が広いほど価格も上がると考えておきましょう。
場合によっては、建て替えたほうが安いこともあります。どの方法でお住まいを刷新するのが最適か、リフォーム会社へ相談してみることがおすすめです。
また、一戸建てなら、内装だけでなく外装も刷新するスケルトンリフォームが可能です。その場合は、床や天井だけでなく、屋根や外壁なども取り壊します。完全に基礎のみの状態にするため、同時に耐震補強工事も済ませるケースがあります。安心して快適に暮らせる家を手に入れたいなら、断熱性能や耐震性能を向上させる工事は、なるべく済ませておきたいところです。
マンション(中古)の場合
リノベーション費用の総額 | 700万円~1,500万円 |
内装 | 60万円~120万円 |
フローリング | 100万円~150万円 |
設備機器交換 | 350万円~600万円 |
その他 | 30万円~200万円 |
設計・現場監理・諸経費 | 30万円~100万円 |
マンションの場合、リノベーション費用の総額は700~1200万円が相場です。戸建てと違い、内装のみの工事となるため、フルリノベーションであっても金額を抑えられることがあります。
マンションであっても、断熱や配管などを更新する、間取りを変更するといったスケルトンリフォームが行えます。ただ、工事内容の自由度は、マンションの管理規約に左右されます。例えば、外壁をくりぬいて新しい窓を設けるといった、共用部分に手を加える工事は、基本的には認められないと考えておきましょう。
耐震補強をする場合
耐震補強費用の総額 | 100万円~300万円 |
一戸建ての耐震補強の費用相場は100~300万円です。工事の規模や内容によって、価格は大きく異なるため注意が必要です。外装や内装をすべて解体するスケルトンリフォームと一緒に行えば、効率よく工事を進められます。補強工事には、基礎のコンクリートを増し打ちする、壁の強度を高める、接合部に金物を打つ、軽い屋根材に変更するなどの方法があります。
マンションの耐震補強は、建物全体の工事となります。基本的に、一部屋だけ工事を依頼することはできません。お住まいのマンションの耐震性を高めたい場合は、管理組合へ意見を伝えてみましょう。
スケルトンリフォームの施工事例4選
施工事例1:家族と同じ空気を共有しやすい広々とした間取りへ
面積95㎡、築36年のマンションを970万円でフルリノベ。もともとは五つの居室に別れていましたが、スケルトンリフォームにより1LDK+WIC(ウォークインクローゼット)+SIC(シューズインクローゼット)の間取りとなりました。キッチンを中心に家全体がゆるやかにつながっているため、小さなお子様にも目が届きやすい点が魅力のひとつです。
施工事例2:お気に入りのインテリアに囲まれた快適なお部屋
こちらのリノベーションでは、家探しからワンストップでお任せいただきました。築28年、面積95㎡の中古マンションを、970万円でスケルトンリフォームしています。リビングには室内窓のついた間仕切りを配置し、半個室空間をつくっています。各所に設けられた壁面収納にはお気に入りのものを並べ、好きなものに囲まれた暮らしを実現しました。
施工事例3:リノベーションで清潔感のある暮らしやすいマンションに
面積99㎡、築36年の壁構造のマンションを全面的にリノベーション。明るい光の差し込む爽やかな家が完成しました。LDKの中で主役級の存在感を放つステンレスキッチンは、オーダーされた特別なものです。キッチン横のパントリーや土間続きのシューズクロークなど、動線にもこだわった住み心地の良い家づくりをご提案しました。
施工事例4:雰囲気抜群のくつろぎ空間が魅力
築16年、面積75㎡のマンションをリノベーションし、2LDK+WICの間取りへ。カウンター型だったキッチンをあえて壁付けにすることで、広々としたLDKの空間づくりを行いました。あえて間仕切りを設けず、床材を変えることで空間をゆるやかに区切っているのもポイントです。
スケルトンリフォームで家族に合わせた住みよい家へ
スケルトンリフォームのメリットは、コスト面だけでなく、それぞれのご家庭に合わせたお住まいをかなえやすい点にもあります。ご自宅のリフォームや購入をお考えの方は、ぜひワンストップ型リノベーションサービスを提供するFINDへご相談ください。プランや資金計画のご相談、お見積もりなど、柔軟にお応えいたします。
ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト