COLUMNコラム
- 2022.08.22
- 不動産
中古マンションの修繕費は高い?修繕積立金の平均額と注意点を紹介!
「中古マンションを購入すると、毎月支払わないといけない修繕費ってなんだろう?」
「修繕費は何に使われているの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では中古マンション購入後にかかる維持費、「修繕積立金」について詳しく解説します。また、修繕積立金の平均金額や、中古マンションを購入する際に注意したいポイントについても紹介します。
リノベーションやリフォームの波によって、年々注目を集めている中古マンション。築年数の経過によって、中古マンションの購入後は設備を修繕する時期が必ずやってきます。中古マンションのご購入をお考えの方は修繕積立金の仕組みや使い道、管理状況をしっかり確認しておきましょう。
目次
1.中古マンション購入後にかかる維持費の種類
まず初めに中古マンションを購入した後にかかる維持費の種類を紹介します。
中古マンションを購入した後にかかる維持費は主に以下のものがあります。
●管理費
●修繕積立金(修繕費)
●駐輪場、駐車場代金
●固定資産税
●都市計画税
●保険料
マンションの築年数や立地、車の有無等で金額は変わってきますが、購入後も年間約20万円以上は必要になってきます。また、都心のマンション等では維持費だけで年間約100万円以上になる場合も。マンションを購入する際には、年間の支払い予定額を事前に確認しておきましょう。
ここからは、マンション維持費の中でも重要な「修繕積立金」について詳しく解説します。
2.修繕積立金とは?
ここでは、マンションを購入後に毎月支払う必要のある、修繕積立金と、確認するべき書類の種類について解説します。修繕積立金とは、自然災害や経年劣化等で、マンションの外壁や屋根、エレベーターの修理などを計画的に修繕する費用を毎月住民全員で積み立てていく制度のことです。また、修繕のタイミングは国土交通省のガイドラインによると、「12年に1回が目安」とされています。
(1)修繕費の使い道
修繕費の使い道には以下のものがあります。
●定期的に計画を立てて行う修繕工事費
●不測の事故や特別な事情によって必要な修繕工事費
●建物の売却や敷地の売却の調査費用
●敷地や共用部分の変更時にかかる費用
●修繕費の使い道は、国土交通省によりマンション標準管理規約の28条で定められています。
どんなマンションでも、年数の経過と共にだんだん劣化してしまいますよね。修繕費は、長く暮らしやすいマンションを維持するために必要な維持費の1つです。また、地震や津波等の自然災害で、建物が損傷した場合にも修繕積立金は使用することが可能です。
(2)長期修繕計画書
マンションの修繕積立金は「長期修繕計画書」によって決まっています。
長期修繕計画書とは、国土交通省の資料によると以下の様に定義されています。
”将来予想される修繕工事等を計画し、必要な費用を算出し月々の修繕積立金を設定するために作成するもの” |
中古マンションの資産価値を維持するために必要な「長期修繕計画書」は、マンションを建築する際に、管理組合が最初に定めておくものです。
また、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」には、12年・15年・30年といった「長期修繕計画」に基づいて修繕積立金を設定するべきとなっています。
国土交通省によって定められている長期修繕計画書ですが、作成していないマンションも実は存在しています。
平成30年度のマンション総合調査結果によると、7%のマンションが、いまだ長期修繕計画を作成していない状況にあるとのこと!中古マンションを購入する際には修繕費と合わせて、長期修繕計画書もしっかり確認しておきましょう。
(3)収支決算書
積立修繕費を確認するときに、一緒に確認すべき書類に「収支決算書」というものがあります。
収支決算書は、マンションの管理組合が管理している書類で、以下のことを確認することができます。
●修繕工事に必要な費用を長期修繕計画の通りにきちんと積み立て出来ているか
●今後、修繕費用が大幅に不足する可能性の有無
中古マンションを購入する際には、修繕積立金額の他に、「長期積立修繕費」「収支決算書」も合わせて確認しておくことがおすすめです。
上記の書類は中古マンションを購入する際に管理組合や不動産に問い合わせると閲覧させてもらうことが可能です。
3.修繕積立金の平均額は?
ここでは修繕積立金の平均額について解説します。
修繕積立金の平均額は築年数や経年劣化の状態によっても変わってきますが、国土交通省の「マンション総合調査」平成30年度版によると、毎月の平均額は11,243円となっています。
また、管理費の毎月の平均額は15,956円となっていました。
上記のことから、中古マンションを購入した後も、管理費と修繕積立金だけで、毎月2万円以上の維持費が必要になります。
4.修繕積立金は値上がりするのか?その3つの理由とは
ここでは修繕費の値上がりについて解説していきます。
結論から先に言ってしまいますが、状況によって修繕積立金は値上がりする場合もあります。
元々、修繕費は毎月同じ金額がずっと続くと決められているものではないため、将来的に値上がりする可能性があります。
例えば、大規模修繕を行う際に見積もりを管理会社が取ったときに、修繕費が想像以上にかかってしまった場合なども修繕積立金の見直しが行われることがあります。
また、修繕費の値上がりの原因として、以下の3つがあげられます。
●修繕積立金の初期設定価格
●段階増額積立方式
●修繕費の相場の上昇
1つずつ詳しく解説していきます。
(1)修繕積立金の初期設定価格が低い
修繕積立金が値上がりする1つ目の原因として、『修繕積立金の初期設定価格が低い』場合があります。
特に国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が作成された2008年以前の中古マンションは、初期設定金額が適正金額より低く設定されている可能性が高いため、将来的に値上がりしてしまう場合も。
そのため、築年数が経過している中古マンションで修繕費の見直しがされてない場合は、低めの修繕積立金額のままになっている場合があるので注意しましょう。
(2)修繕金が段階増額積立方式の場合
修繕費が値上がりする2つ目の原因として、修繕金の徴収方法が、『段階増額積立方式』の場合があります。修繕費の積立方法には、「段階増額積立方式」と「均等積立方式」という以下2つの方式があります。
段階増額積立方式:修繕積立金があまり必要とならない築浅時は金額が低く、築年数が経過し工事が増えるとともに徐々に値上がりする方式 均等積立方式:マンションが生涯必要となるであろう修繕費用をあらかじめ算定し、負担が均等となるように毎月の修繕積立金を決める方式 |
段階増額積立方式を採用している中古マンションの場合は所有期間が長くなればなるほど毎月の負担が増えていくため、修繕積立金が値上がりすることがあります。
もう1つの均等積立方式は、毎月の修繕積立金が一定金額で収まる修繕積立金の積立方法です。この積立方式は国土交通省が推奨している方式です。あなたのライフプランと月々のローン返済額と照らし合わせながら、修繕積立金の積立方式も確認してみてください。
(3)修繕費の相場の上昇
修繕費が値上がりする3つ目の原因として、「修繕費の相場の上昇」があります。
年々、修繕を担当する職人の高齢化が進み、労働人口が減っていることなどから、人件費が高騰している傾向にあります。
また、材料費や重機のリース代など工事費も上がってきていることから、大規模修繕を行うための修繕費が足りなくなってしまう場合も。
修繕費が想定金額を遥かに上回ってしまったときには、修繕積立金を値上げせざるを得なくなることもあります。
5.修繕費の滞納についての注意点
ここでは修繕積立金を滞納してしまった場合や、前入居者が滞納していた場合はどうなるのかを紹介します。
(1)マンション購入後に滞納してしまった場合
中古マンションの購入後に修繕積立金をなんらかの理由により滞納してしまった場合は、マンションが委託する管理組合から支払いを催促されます。
また、催促後も支払わずにいると、最悪の場合には部屋を競売にかけられてしまうことも。
まずは支払えない理由や状況を説明した上で、いつなら支払えるのか、少し待ってもらうことはできるのか、管理組合と話し合うことが大切です。
(2)中古マンション購入前の住居者が、修繕積立金を滞納していた場合
中古マンションを新たに購入し、前の住人が修繕積立金を滞納していたという場合には、前の住人から滞納金が引き継がれてしまうことがあります。
修繕積立金は「建物の区分所有等に関する法律第14条」にて、滞納金は新しい所有者にも請求できることになっているのです。
他人の滞納金を支払うなんてことにならないためには、中古マンションの前居住者の支払い状況も購入時にしっかり確認しておきましょう。
6.中古マンションの修繕積立金で注意するべき3つのポイント
中古マンションを購入の際には、修繕積立金の不足や大規模修繕工事の状況に注意しましょう。
最後に中古マンションの修繕積立金で、注意するべき3つのポイントを紹介します。
(1)中古マンションを購入後の積立金不足に注意
中古マンションを購入する際には、修繕積立金の不足に注意しましょう。
国土交通省のガイドラインによると、マンションの修繕箇所別に修繕の適切な周期が決められています。
しかし、中古マンションを購入後に積立金の残高が不足してしまった場合は、建物の劣化が進み、外観だけでなく安全性にも問題が出てきてしまうことがあります。
その場合は、修繕費の値上げや一時金を徴収されることも。
そうならないためには、上記でも説明した「長期修繕計画書」や「収支決算書」を確認し、『修繕費が適切に使われているのか』『次の大規模工事はいつなのか』を確認しておく必要があります。
(2)大規模修繕工事の実施状況に注意
中古マンションを購入する際は大規模工事の実施状況に注意しましょう。
大規模修繕工事は、マンションの居住者や関係者、全ての人にとって、大きなイベントです。
中古マンションの購入を考えている方は、大規模修繕工事の中でも、外壁補修や屋上の防水補修などがいつ行われたのか、工事は適切な時期に行われているのかを注意しましょう。
基本的な補修工事がきちんと周期的に、長期修繕計画書通りに行われていることは、マンション全体の寿命を伸ばすことにも繋がります。
(3)管理費会計や修繕積立金会計の収支、予算に注意
中古マンションを購入する際には、管理費会計や修繕積立金会計の収支、予算の使用状況にも注意しましょう。
管理費会計を確認する際に見るべきポイントは「管理費の使い方に無理がないかどうか」「予算は適切に使用されているか」です。
また、修繕積立金会計では「滞納額が多くないか」「滞納者はいるのか」という点を事前に確認しておきましょう。
どちらもマンションの管理組合が管理しているので、購入前に不動産や管理組合に問い合わせて閲覧することが可能です。
上記を確認した際に、計画されている大規模修繕の予算が不足していたり、修繕積立金の滞納額が多い場合があるマンションでは、近いうちに修繕積立金の全体的な値上げが予測できたりします。
まとめ:中古マンションのご購入をお考えの際にはFINDに!
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ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト