COLUMNコラム

PLAN STORY 25『海外アパルトマンのような雰囲気と心地よさを実現した住まい』前編

築60年を超える都内にある連棟式のタウンハウスにインスピレーションを感じ、購入に踏み切ったK様。
昭和レトロな物件を自分たちの好みの空間にしたいと、FINDへお声がけいただきました。

近年いわゆる『長屋』の暮らしが見直されつつあり、
テラスハウスやタウンハウスなどといった呼び名で知られるように。
構造上、隣家と戸境壁を共有しているため、窓がない部屋があったり、隣からの騒音が気になることも。

こちらの物件は鉄筋コンクリート造と一部木造の構造ということもあり、
既存を活かしつつ、広々とした明るい空間を実現しました。

既存平面図

Before

完成平面図

After

白色を基調として、塗装で仕上げた玄関土間は
白黒タイルのレトロ感が空間のアクセントになり、
お施主様のお手持ちの素敵なインテリアが映える空間になりました。

広がった土間には磨りガラスから柔らかな光が差し込み、開放的な印象に。

アンティーク加工が施された床材をへリンボーン貼りに。
古いものと新しいものを同じ空間に取り入れることにより、良い調和をもたらしています。
また、どうしても取り壊すことのできない梁を境に、
開放的でありながらも区切られた空間ができあがりました。
既存壁から前に出して作られたニッチは
旦那様セレクトのインテリアが置かれ、素敵なスペースへ。

IKEAのI型キッチンを組み合わせ、L字に取り付けました。
元々壁だった部分に小窓を設け、南側からの光が差し込み、
白を基調としたキッチンと相まって、明るい印象に。

天板の人大の優しい色合いとこだわりの框扉が海外テイストのような、上品で美しいキッチンに仕上げています。

トイレ入口の建具はオーダーで製作。
2階へ繋がる階段と縦格子は既存を生かし、塗装で仕上げました。
この家にしか出せない、ヴィンテージの味わいがあります。

空間を生かし、造作の洗面スペースを設けました。
その横の収納スペースは天井までの高さにして、冷蔵庫などを隠せるように。

浴室は既存を利用し、タイルの上の壁は白く塗り直しています。

「この家に住み始めたら、もうここ以外での暮らしは考えられなくなりました。
リノベーションでやりたいことを全部叶えてもらえました」
と奥様よりうれしいコメントをいただき、ご満足いただけるお住まいとなりました。

後編ではアトリエとして使われている2階と、
併設されているお花屋さんについてご紹介いたします。

笠原 圭一郎

ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト