COLUMNコラム

PLAN STORY 35『素材にこだわるクラシックモダンな暮らし』

クラシックモダンなインテリアとは、
クラシカルな優雅さと、シンプルで洗練されたモダンなデザインを融合させたスタイルです。
華美になりすぎず、高品質で洗練された素材とシンプルなラインを活かした事例をご紹介します。

既存平面図

完成平面図

開放的なリビングを活かすプランをご提案しました。

当初のお施主様のご要望は、リビングにウォークインクローゼットとワークスペース、壁掛けのTVを設けることでした。ただ、限られた面積のなかで全てを実現するのは難しいのではないかとご心配されていました。

壁掛けテレビの裏側にウォークインクローゼットを、
陽の差す窓際にワークスペースとなるカウンターデスクを設ける間取りをご提案をして、
リビングの広さを保ちながらご要望を形にしました。

Before

After

クラシカルな印象を与える重要な要素は、色味と素材感です。

キッチンカウンター、床材、ワークスペースのカウンターデスク、壁に施されたリブパネル等、随所に木を取り入れました。温かみのある木素材はクラシックな雰囲気を際立たせます。
木部は特注で調色した塗装で仕上げており、統一感を持たせました。

ワークスペースのカウンターデスクは、窓際に配置し自然光を取り込みます。
リビングの壁面は木にも馴染む落ち着いたグレーを合わせました。
窓枠の色やエアコンカバーも壁紙に合わせて、生活感を隠すよう細部まで気を配り工夫を凝らしています。

リビングとウォークインクローゼットを仕切る壁は、天井より低い高さに設定しました。
散らかりがちなクローゼット内部をリビングからは見せずに、つながった天井面が広く感じさせます。

TVをかける壁面はジョリパットで仕上げました。ジョリパットは汚れに強く、耐久性の高い左官材です。140色以上のカラーから選べる、壁のデザインにこだわりたい方におすすめの素材です。
左官の風合いがモダンさを演出します。

リビングと廊下の床はヘキサゴン形のフローリングに。
大きな面積を占める床材にこだわると、より自分好みの豊かな空間に仕上がります。
味気なくなりがちな廊下までひと続きにすることで、印象的なお部屋になります。

ヘリンボーン貼りされた深い青緑色のタイルが印象的なキッチン。

一見クラシカルな印象のヘリンボーンですが、モダンなテイストにも馴染み、派手すぎずに味が出せます。
タイル割りの細部まで気を配り、お施主様と打ち合わせを繰り返しながらより美しく見えるように配置を決めていきました。

II型のキッチンとダイニングテーブルは造作で、ここにもお施主様のこだわりが詰まっています。

キッチンカウンターとダイニングテーブルは幅を揃えて、段違いのひと続き。
木の天板と石目の面材のコントラストが美しく、モダンなテイストとクラシックさのバランスがとれた家具になりました。

所々にアクセントとして施されたリブパネル。
暗めの木色でも、直線的な印象が空間をすっきりと軽くしてくれます。

洗面化粧台は既存のものを利用しましたが、
鏡下にキッチンと同じタイルを施し、建具のノブやつまみの交換。雰囲気を一新しました。
同じタイルでも貼り方を変えることで、全く違う印象になります。

お打ち合わせでは、お客様の生活スタイルやデザインの好みを伺い、
図面や写真、パースを用いてイメージのすり合わせを繰り返しながら空間を決めていきます。

今回は、ウォークインクローゼットやワークスペースの要素を盛り込みながら
お施主様のこだわりの詰まった、寛げるリビング空間を実現しました。

物件探しやリノベーションでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

笠原 圭一郎

ライフディレクション事業部 設計チーム マネージャー / 二級建築士 / キッチンスペシャリスト