COLUMNコラム
- 2024.04.23
- 空間デザイン
【View of FIND】条件を味方につける vol.2
「View of FIND」とは?
リノベーションについて、FINDデザイナーの意見、考えをつづるコラムです。
普段どのような視点で設計を行っているか、ご紹介します。
「条件を味方につける」
FIND設計チームには「設計ポリシー」と言われる、
プランをつくる上で大切にしている考えがあります。
リノベーション設計を行う上で、楽しさも難しさも感じるのが
それぞれの物件の条件が異なるということ。
その条件によっては「思い描いていた間取りができない」ということが
しばしば起こります。
私たちはその制約と捉えられがちな部分を
アイデアによってプラスに変えられるご提案を心がけています。
今回はその設計ポリシーの中のひとつにある
「条件を味方につける」ことを実現した事例の中から
柱にピックアップしてお届けします。
サビ加工を施し、空間のシンボルに
元々独立していて閉鎖的だったキッチン。
お施主様のご要望である広々とした風の抜ける間取りをつくるには
壁内にあったパイプスペースが妨げていました。
住宅に不可欠なパイプスペースは給水管・排水管を通すもので
原則位置を変更することはできません。
こちらのリノベーションではパイプスペースにサビ加工を施し
ダイニングテーブルを貫くという大胆なデザインに。
カウンター上部分にはコンセントを設け、
ダイニングテーブル上で作業するのに便利です。
撤去することができないパイプスペースがこのアイデアにより
お部屋のシンボルとして生まれ変わりました。
構造に必要な柱をデザインで活かす
こちらの事例は戸建てのリノベーション。
広いリビングダイニングのスペースを確保するには
構造に必要で抜けない柱がある中でどうするかが課題でした。
動かせないのであれば「普通の四角い柱」として残すのではなく、
意匠として魅せることができないかという考えから
柱に味のある「足場板」を貼るというアイデアが採用。
キッチンとテレビスペースの間に立つ柱は、
圧迫感を感じさせず空間をゆるやかに区切る役目もしています。
躯体の柱を活かして、上質で上品な空間へ
玄関を入った先にある柱。
こちらはマンションを支える構造の柱で抜くことができません。
リノベーション前は、他の箇所と同様にクロスが貼られていましたが
リノベーション後は、クランクした廊下の壁に大理石調のタイルを巻き
素材のコントラストをつけることで意図的にこの柱を目立たせました。
土間と廊下に敷かれた、バーリントンストーンと大理石の質感を表現した磁器タイルとも相まって
洗練されたエントランスホールになりました。
このように私たち設計チームでは、物件のデメリットと捉えられがちな部分を
柔軟な発想によってプラスに変えられるように心がけています。
物件のポテンシャルを引き出し、新たな価値へとつなげることが
リノベーションの楽しさであると思っています。
物件探しやリノベーションでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者