COLUMNコラム

【View of FIND vol.4】FINDのPLAN術を紐解く-前編-

「View of FIND」とは?

リノベーションについて、FINDデザイナーの意見、考えをつづるコラムです。
普段どのような視点で設計を行っているか、ご紹介します


目次

「条件」を味方にするプロセス

マンションリノベーションのご要望に多い、間取り変更。

「対面キッチンにしたい」「部屋を減らして、広々としたリビングダイニングにしたい」
そんなご要望がある一方で、間取り変更には、マンション特有の数多くの「条件」が存在します。

その中で、FINDの設計チームは各物件ごとに異なる「条件」を「味方」に変えることを心がけています。
今回は、PLAN STORY37でご紹介したG様邸のリノベーション事例をもとに、そのプロセスを詳しく解説します。
※G様邸のPLAN STORYは下記リンクよりご確認いただけます。

PLAN STORY 37『住まいの中心となるLDK』

お施主様のご要望

G様は以下の要望を持っていました。
・和室をなくしてリビングを広くしたい
・対面キッチンにしたい
・パントリーを設けたい
・浴室の大きさは維持したい

完成平面図

間取りは2LDKに大きく変更。
広いリビングダイニング、対面キッチン、パントリー、大きさを維持した浴室。
当初のご要望に加えて、細かいヒアリングを行いながらご満足いただけるお住まいとなりました。

ただし、このプラン実現にも、見えない制限がいくつも存在していました。

間取り変更に伴う3つの「条件」

今回は、G様邸をもとに、
マンションリノベーションで多く存在する条件とそれをプラスに変えるご提案のプロセスをご紹介します。

条件1.PSと排水経路

水まわりで使った水は「PS(パイプスペース)」という排水スペースに排水されます。
水まわりを移設する際には設備からPSまで配管が適切な勾配でとれるか確認する必要があります。

条件2:コンクリートスラブの床段差

マンションによっては水まわりの設備位置のみコンクリートスラブが下がっていることがあります。
その場合、位置を変える際には床段差が出てくる恐れがあるため注意が必要です。

条件3:キッチンの下がり天井

リビングよりも天井高が低かったキッチン。
現地調査時にダクト経路であることを確認し、その上でプランを検討していきました。

今回のプランのポイント

今回の物件は上記3つの条件に該当しており、
これらを解決しながらご要望が叶うプランを検討しました。

どのようなプランの過程があり、
どのようにリノベーションしたか順番にご紹介します。

洗面室を移設し、収納スペースを確保

PS位置、排水経路、浴室下のコンクリートスラブが下がっているという条件から間取りを検討。

キッチンにパントリー、洗面室横にWIC兼ランドリールームを設けるプランをご提案いたしました。

下がり天井は木調にして間接照明を。

レンジフードからつながるダクトは下がり天井にして隠すか、露出配管させるという選択肢があります。
今回は下がり天井にしてさらに木パネル、間接照明をいれることで空間を演出。
大きくせり出すデザインで、奥行、高さ、厚さの寸法にもこだわりぬきました。

マンションのリノベーションには多くの条件があり、FINDの設計士はそれらをプラスにとらえたご提案を心がけています。
物件の購入前からでも購入後でもご気軽にご相談ください。

物件探しやリノベーションでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

海老澤 知絵

ライフディレクション事業部 設計チーム / 一級建築士 / 既存住宅状況調査技術者